2016 Fiscal Year Research-status Report
不眠症に対する自律訓練法の効果研究:薬物療法とのランダム化比較試験
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15K04133
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富岡 光直 九州大学, 医学研究院, 助教 (50380514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 信行 九州大学, 医学研究院, 教授 (60304812)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 不眠症 / 自律訓練法 |
Outline of Annual Research Achievements |
自律訓練法は『睡眠障害の対応と治療ガイドライン』(第2版)において非薬物療法として取り上げられている心理療法である。段階的に自己暗示をくり返し,リラックスした状態を自ら作り出せるようにし,心身の緊張を解くことで睡眠を促す。このように不眠症状に有効であると紹介されているものの,その実証的な研究論文はほとんどない。不眠に対する非薬物療法としては,認知行動療法がこれまでの研究により有効であるというエビデンスを提示してきている。しかしこの技法は多岐に渡る複雑な方法であるため,現状では実施可能な医療機関が限られている。そこで従来より不眠症の治療として効果的と考えられている自治津訓練法を単独で行った場合の有効性を検討する。本研究では,不眠症外来クリニックに通院する患者に対して,自律訓練法による不眠症の改善効果と服用薬物の減量効果を検討する。 治療効果を評価するため,睡眠日誌,ピッツバーグ睡眠質問票,日本語版不眠重症度質問票,Epworth Sleepiness Scale日本語版を用いた。自律訓練法は言語公式と呼ばれる決まった語句を心の中で反復暗唱し,関連する身体感覚に意識を向け続けることで心身のリラックスした状態を得るリラクセーション技法である。6種類の言語公式があり,患者の習得状況に応じて指導公式を増やした。 通常の自律訓練法の指導により,睡眠の改善が見られた。また薬物の減量効果も示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究のスタートが遅れたため,治療を適用した患者数が現時点で予定人数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
患者と治療期間や評価方法,治療内容について十分な説明と同意(インフォームドコンセント)を得る。自律訓練法の睡眠薬の減量効果に関する効果研究という目的を果たすため,インフォームドコンセントを得ることは重要な手続きと考えられる。 予定の被験者数に達した時点で,統計解析を行い,発表,公表の準備に取りかかる。
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Causes of Carryover |
被験者となる不眠症患者に対する自律訓練法の実施の遅れが生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者の募集を引き続き進め,研究を進めていくことで,人件費,謝金等の支出が生じる予定である。
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