2015 Fiscal Year Research-status Report
対人関係ゲームによる学級集団づくりが不登校の発生抑制に及ぼす影響
Project/Area Number |
15K04141
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
田上 不二夫 東京福祉大学, 心理学部, 教授 (50015898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 幸弘 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (70527580)
丹野 宏昭 東京福祉大学, 心理学部, 講師 (70637149)
大澤 靖彦 東京福祉大学, 心理学部, 准教授 (80406298)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 対人関係ゲーム / 学級集団づくり / 不登校 / システムズ・アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,対人関係ゲームを活用したシステムズ・アプローチ技法である“学級団プログラム”を開発して,学級システムへの介入が不登校の発生抑制に及ぼす影響を検証することを目的としている。本年度に実行することは,研究協力者である教師が学校で“学級集団プログラム”を実践できるようにする準備と1回目の実践研究協力者の募集である。 “学級集団プログラム”の開発にあたり,学校で教師が使いやすく効果が実感できることをめざして,1学期の朝の会と帰りの会に実施できる内容のプログラムを作成した。それと並行して,対人関係ゲームの実施方法をわかりやすく提示したDVDを作成した。そして“学級集団プログラム”のなかで活用するとともに効果を測定する尺度開発のために,これまで開発された尺度を精査して標準化の準備をした。これらを基に,使いやすさを考えながら“学級集団プログラム実施マニュアル”を作成した。 “学級集団プログラム”の準備ができあがった2月~3月に栃木県(2回),長野県,富山県の3県で,4会場合わせて小・中・高校の教員113名を対象に“学級集団プログラム”の研修会(5時間)を実施した。研修内容は,“学級集団プログラム”の解説,教師自身による対人関係ゲームの体験,対人関係ゲームのリーダー体験と相互の話し合いで構成されている。研修会の最後に研究協力への依頼を行ない,来年度の協力予定者にDVDを配布した。 研修会を重ねて,参加した教師の意見を参考にしながら“学級集団プログラム”とマニュアルの改善を繰り返した。以上のように,次年度の学校での実践に向けての準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者間で連絡を取り合い計画的に研究を進め,“学級集団プログラム”のマニュアルを完成させ,3県4会場で“学級集団プログラム”の研修を行うことができた。しかし困難もあった。とくに難しかったのは,小・中・高校で実践研究を実施することである。教育委員会の許可を取ったり,研修会の会場探しや研修会参加者の募集などで予想以上の困難があったが,最終的には計画通りに事が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
学校で実践する教師のサポートをしっかりやりながら,研究が順調に進むように注意を怠らないことが重要。また実践協力者とデータのやり取りする郵送料のねん出が難しい。どこかの費用を切り詰めなくてはならないだろう。 実践協力者との話し合いやサポートのための研修会を計画する必要性が見えてきた。最初の計画になかったが,実施の方向で進めたい。また,その次の年の実践協力者向けの研修会の持ち方を工夫したい。 学校での実践研究は難しい。多くの人の協力が必要であった。今回のような規模の研究は2度とできないと思って大事に研究に取り組むことが必要と研究分担者間で確認し合いながら進めている。
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Causes of Carryover |
実践協力者の教師に4月から実践できるように3月中に完成版のマニュアルやアンケート用紙などを郵送する予定であったが,新年度の異動を考えて,担任学年ならびに児童・生徒数などの新年度の状況について問い合わせして確認できるまで“学級集団プログラム実施マニュアル”とアンケート用紙の郵送を遅らせたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新年度になって実践協力者の教師と連絡して実践する学年とクラスの人数が確認できた時点で,関係の資料を郵送する費用として使用する計画である。
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