2018 Fiscal Year Research-status Report
対人関係ゲームによる学級集団づくりが不登校の発生抑制に及ぼす影響
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15K04141
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
田上 不二夫 東京福祉大学, 心理学部, 教授 (50015898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 幸弘 松本大学, 教育学部, 教授 (70527580)
丹野 宏昭 東京福祉大学, 心理学部, 講師 (70637149)
大澤 靖彦 東京福祉大学, 心理学部, 准教授 (80406298)
瀧澤 洋司 昭和女子大学, 人間社会学部, 准教授 (60787498) [Withdrawn]
中村 恵子 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (80780717)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 対人関係ゲーム / 学級システムプログラム / 不登校 / 教育実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究協力者の協力を得て『学級システムプログラム実施マニュアル』と『データ入力エクセルシート』を改訂した。また昨年に引き続き,ゲーム集を充実させた。それを使って,対人関係ゲームを活用した学級システムプログラムの効果研究を行った。5月から7月中旬までの2カ月間,対人関係ゲームの実践を依頼し,5月,7月,12月,2月の4回,学級システムプログラムの効果を測定するアンケート調査を行った。これまでに収集したデータを解析中である。 2018年9月には,日本カウンセリング学会第51回大会(松本大学)において,ポスター発表(標題:『対人関係ゲームの実践を動機づける要因―対人関係ゲームを活用した学級システムプログラムの開発(その2)』)を行い,学級システムプログラムを教室で活用するようになる要因の研究発表を行い参加者と討議した。さらに同大会において,シンポジウム(標題:対人関係ゲームのさらなる可能性を求めてー主体的・対話的で深い学びと学級システム)を企画・実施し,学級システムづくりと学習との関係について討議した。 2018年9月と10月には,(一社)日本カウンセリング学会研修会として松本市と長野市において『学級システムプログラム』の研修会を行い,研究成果の一部を社会に還元した。 そして次年度に向けて,長野県伊那市と長野市,静岡県島田市,栃木県日光市の研究協力者を対象に,学級システムプログラムを実践するための研修会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は実践研究の準備期間として,『学級システムプログラム実施マニュアル』および『実践ノート』を作成し,研究協力者を対象に長野県,栃木県,富山県で研修会を開催した。 2年目・3年目には,研究協力者に依頼し,学級システムプログラム実施マニュアルを使って,実際の教育活動のなかで実践し,その効果を確かめるためのデータを収集した。そして,研究協力者から使い勝手についての情報を得て,実施マニュアルとアンケート用紙の改訂を行った。また学級システムプログラムのVTRを作成した。それらを使って,長野県,栃木県,富山県,静岡県,北海道で研究協力者の研修会を開催した。 4年目の今年度は,再度,『実施マニュアル』と『データ入力シート』を改訂し,昨年度と同様に研究協力者の協力を得て,教育活動のなかで学級システムプログラムの実践を行った。年度末には,研究協力者の研修会を長野県,栃木県,静岡県で行い,最終年度の実践研究の準備がととのった。 その間,日本カウンセリング学会において,ポスター発表ならびにシンポジウムを重ねて開催し,多くの研究者から本研究について意見を聴取し,それを研究に活かすようにしており,これまで研究は計画通り順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
学級システムプログラムの実践効果について,長野県の小学校2校において検証を続けていく予定である。それとともに,今年度は最終年度になるので,研究のまとめを行う。また研究協力者の学会でのポスター発表の支援も続けていく。 われわれの研究が少しずつ周囲に知られるようになり,学校ぐるみで自発的に研究への参加を希望するところも出始めた。また,研究協力とは別に学級システムプログラムの研修会開催の希望があり,研究成果の社会的公表の場として積極的に考えていきたい。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく過程で,何人かの研究協力者から新しい対人関係ゲームを紹介された。それらの対人関係ゲームを記録するDVDを作成して実践の補助とすることを考えたが,企画と作成が大幅に遅れたために,次年度使用額が生じた。早急に作成に取り組む準備をしているところである。
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