2016 Fiscal Year Research-status Report
対人援助職者としての看護師のストレス制御特徴とそれに適合する対処技法の開発
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15K04161
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 安子 京都文教大学, 臨床心理学部, 教授 (60388212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 優年 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (00144098)
山本 初実 独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター(臨床研究部), その他部局等, 研究員(移行) (90416199) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ストレス対処 / 一般企業就労者 / ストレス対処 / レジリエンス / 気分状態 / 性差 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒューマンサービスに従事する対人援助職者の中でもストレスが高いとされている看護職のストレス認知と対処の仕組みにおける心理的特性を解明すること、この特性に適合したバーンアウトを防止する実用性・汎用性の高いストレスマネジメント技法を開発・実施することである。平成26年度からの3年間を目途として基盤的研究を遂行することが目的であった。 平成26年度は、看護職310名を対象に(1)適応のための資源を測定するストレス自己統制評定尺度(「レジリエンス状態」を測定する尺度)、(2)気分状態を測定するPOMS、(3)ストレス情報にどの程度注目しあるいは回避するのかの程度を測定するMBSSの3つの質問紙を用いて質問紙調査を実施した。 平成28年度は、同じ質問紙を用いて5企業180名を対象に郵送調査を行った。115名から回答を得た。主な結果の一部は以下のとおりであった。ストレス対処に関しては、用いる心理的資源には性差が認められた。女性はソーシャルサポートを利用して自己実現を目指している傾向にあるが、男性にはそのような特徴は認められないこと、気分状態に関しては男性は抑うつ、疲労といった非覚醒型で表面化しにくい不快気分が認められたが、女性ではそうした特徴が認められなかったこと、である。経験的によく言われていることが実証されたともいえよう。そして115名の調査協力者のうちの希望者65名に一般企業の全体結果を作成した結果プロファイリングを添付して詳細な説明を加えた冊子を作成・郵送した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では1つの企業に絞って調査を行う予定であったが、複数の企業から多職種の方々が調査に参加してくださった。標本抽出の視点から言えば、ランダムサンプリングに比較的近い資料がえられたといえる。一般企業就労者が当初計画の予想以上に調査に協力してくださったといえ、全体結果を求めるニーズからはメンタルヘルス問題への関心の高さがうかがえた。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、これまでに集まった看護職者、一般企業就労者、大学生を比較検討して対人援助職者としての看護職者の心理的特性を抽出する。 第2に、すでに枠組みの出来上がっている認知行動療法的アプローチを応用した心理教育プログラムを看護職中心に行う。 第3に、研究全体がアクションリサーチの手法をとっているため、抽出した心理的特性の妥当性を検討する。対象は平成28年度に協力を得た一般企業就労者を予定しており、パイロットスタディの枠組みで行う。
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Causes of Carryover |
調査協力者への結果フェードバック冊子作成の調査実務のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抽出した心理的特性の妥当性を検討するため、平成28年度に協力を得た一般企業就労者を対象に追加調査を行う予定である。
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Research Products
(2 results)