2018 Fiscal Year Annual Research Report
The development of a tool to assess the interpersonal relationship of alexithymia
Project/Area Number |
15K04162
|
Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
馬場 天信 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (00388216)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | アレキシサイミア / 傷つき体験 / 対人関係 / 抑制因 / 愛着 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
延長申請を行った最終の2018年度では、アレキシサイミア傾向者の対人関係における傷つき体験の内的処理過程を明らかにすべく、傷つき体験の語り抑制因尺度を予備調査を経て作成し、一般成人を対象としたWeb調査を追加し、アレキシサイミア傾向者の特徴を明らかにした。具体的には、大学生および20代と30代の一般成人の男性396名、女性432名の計828名を対象にWeb調査と質問紙調査を行った。因子分析の結果、「自己での解決」「不快感情回避」「恥感覚回避」「相手への配慮」「相手への諦め」「傷つき回避」の6因子を抽出した。次に、TAS-20の国際基準cut off pointにならいalex群、possible-alex群、non-alex群の3群に分類し分散分析を行った。その結果「自己での解決」以外において有意な主効果が認められ、多重比較の結果「不快感情回避」「恥感覚回避」「傷つき回避」といった不快な情動を回避したいために傷つき体験を語らない因子の全てでalex群が開示抵抗感が最も強く、non-alex群が最も得点が低いことが明らかとなった。また他者との関係性に関係する「相手への配慮」「相手への諦め」においてはalex群が他の2群よりも有意に高い得点を示した。以上から、アレキシサイミア傾向者は他者に自らの傷ついた体験を語ることはそのことでかえって不快感情が高まる危険性があり、語らないことを選択するが心理的不適応は持続する可能性が示唆された。 本研究課題全体を通しては、アレキシサイミアは他者に対する基本的信頼感の欠如や愛着の問題、家族内におけるソーシャルサポートの欠如といった先行研究の結果を支持するものである。臨床介入においては傷つき体験を語ることでの怖さやセラピストへの配慮、諦めといった気持ちを取扱いながら語りやすい関係性を構築していくことが重要と考えられる。
|
Research Products
(2 results)