体性感覚刺激の付与が脳と動機づけに与える影響：ERPとfMRIの融合研究

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K04182
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 大上 淑美 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 研究員 (30456264)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小谷 泰則 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 助教 (40240759)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 実験心理

Outline of Annual Research Achievements

本研究は予定より遅れているが、昨年度の計画の通り、エアパフ刺激の呈示の形式を決定し、刺激呈示と課題プログラム設定を完了させ、脳波計へのトリガー入力までの設定を終えることができた。予備実験も行ったが、年度末に差し掛かり、脳波測定の本実験を遂行するところまでは年度内には終わらなかった。実験課題が完成したので、fMRI実験のための予備実験も行なった。fMRI実験での実験で、手（左右の甲の指）と足（左右の甲と指）、４つの部分をそれぞれ別々に動かし、またその４部位に手動にてエアパフを吹きかけて、脳の体性感覚野の活動を確認した。手は対側の部位が活動し、足（特に足の甲から指先）は大脳縦列の内側にその領域があるため、脳波では同側の活動として測定される。fMRI実験（予備）の結果、想定された活動が観察された被験者とそうではない被験者に分かれたが、被験者数が少ないため、このfMRI測定による予備実験の結果を踏まえて、脳波本実験の設定（適性さ）が確認でき、またfMRI実験については脳波実験完了のあと再確認して行うこととした。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

実験課題で用いるエアパフ刺激の呈示の形式や実験器具の設定に手間取り、予備実験へ進むまで想定を超えた時間を要したが、fMRIでの予備実験も終え、脳波本実験を行い、必要な測定データを取るまでの準備が完了した。予備実験のデータ分析を行い、分析用のPCの準備、分析項目やその手順がスムーズに行えるように整えたので、この部分で少し遅れを取り戻し、計画の通りに研究を終える予定である。

Strategy for Future Research Activity

測定をする予備実験も終わり、東工大で実施できる脳波測定から行っていく。被験者はある程度確保してあるため、必要数のデータが揃うまで迅速に実験を進める。脳波測定のデータ分析を行いながら、fMRI実験の実施をし、両データの結果から体性感覚刺激が脳と動機づけにどのようなメカニズムで影響を与えているのかを検討する。

Causes of Carryover

現在までの進捗状況に書いた通り、本格的に実験実施（本実験）まで進めることが出来なかったため、消耗品の購入や被験者謝金に用いるべき予算を使用することが出来なかった。その未使用額は次年度へ繰り越した。
未使用額の使用予定は、実験遂行とデータ分析に必要な消耗品の購入と被験者への謝金に充てることである。