2015 Fiscal Year Research-status Report
時空間認知とその心理的相互作用に関与する神経機構の解明
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15K04188
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小林 俊輔 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30579272)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知機能 / 時間 / 空間 / 意志決定 / アセチルコリン / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は主に神経物理および機能画像の手法を用いて時空間認知の神経機構を解明することを目的とする。島県立医大倫理委員会の審査を経て研究の承認を得た。当年度は神経物理的行動課題を策定し、それを実現するコンピュータープログラムを完成した。のべ86名の被験者で行動実験およびMRI実験を行った。行動データおよび画像データの解析のセットアップを行い、初期解析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りの進捗率である。
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Strategy for Future Research Activity |
①健常者を対象に心理物理的手法により時空間の心理学的干渉効果の有無を評価する。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤donepezil,ドパミン前駆物質 l-dopaまたはプラセボ薬を二重盲検で投与し、時間・空間弁別課題の施行成績を評価することによりその心理過程に対するアセチルコリン・ドパミン系の関与を調べる。 ②健常者を対象としてdonepezil, l-dopa服薬下で課題を遂行中にfMRI実験を施行することにより時間認知、空間認知に関わる脳内ネットワークの解剖学的局在と、それに対するアセチルコリン、ドパミンの影響を明らかにする。 ③脳損傷例を被験者として時空間弁別課題を施行し、脳損傷部位と時空間認知機能の関係を調べる。AD患者の課題成績に対するdonepezil投与の影響、およびPD患者の課題成績に対するl-dopa投与の影響を検討することにより時空間認知機能障害の疾患特異性、薬理学的特異性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
実験機材(MRI)が二か月間メンテナンスに入り、その間の実験が中断し被験者謝金の支払いが先送りとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延期となった実験の被験者の謝金として使用する。
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