2016 Fiscal Year Research-status Report
時空間認知とその心理的相互作用に関与する神経機構の解明
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15K04188
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小林 俊輔 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30579272)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高次脳機能 / 時間 / 空間 / 意思決定 / アセチルコリン / 機能的MRI / 注意 / donepezil |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は主に神経物理および機能画像の手法を用いて時空間認知の神経機構を解明することを目的とする。倫理委員会の承認を得て実験を開始しており、これまでに10名の被験者の心理物理実験と機能的MRI実験を終了した。 中間解析の結果、心理物理実験からは時間を弁別する際は空間性の注意が干渉し、空間に関する弁別にも時間に対する注意が干渉することが示された。これは認知処理に際して時間性の注意と空間性の注意が独立に操作されるが注意のリソースが限られることから干渉が生まれることを示唆する結果である。 さらに機能的MRIの実験データについて時間弁別時と空間弁別時の脳活動をボックスデザインで比較すると空間性注意課題の際は両側頭頂葉の活動が、時間性注意課題の際は小脳の活動が上昇することが示された。 donepezilの作用による弁別成績の変化や脳活動の活動の変化については現時点ではサンプル数が少ないため有意な結果はみられていない。 更に被験者数を増やすことによりこれらの結果を確実なものとし、さらに詳細な解析を加える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りの進捗率であるが、健常コントロールの実験に比べて患者群の実験の進捗率が遅れているので症例のエントリーをすすめていく。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者をさらに10名、疾患群を15名エントリーし心理物理と機能画像実験の両方のデータを取得する。 心理物理実験は選択行動の正解率の解析を主に行っているが、反応時間など二次的な測定データについても解析を進めていく。機能的MRIについてはこれまでのところbox designのfixed modelによる単純な解析をおこなっているが、被験者数が増えた時点でrandom effect modelによる統計検定やevent関連の脳活動の検証など詳細な解析を行う予定。
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