2017 Fiscal Year Research-status Report
人工甘味料の摂取による体重増加における条件性満腹感消去の役割と肥満防止策の開発
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15K04199
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
青山 謙二郎 同志社大学, 心理学部, 教授 (50257789)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 人工甘味料 / サッカリン / 肥満 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、人工甘味料であるサッカリンを入れたヨーグルトを摂取したラットとサッカリンを入れないヨーグルトを摂取したラットの摂食行動を、オペラント箱内でのレバー押し行動の測定を通して比較した。 毎日、ラットは飼育室の個別ケージにおいて2時間ヨーグルトを提示された。この時、サッカリン群ではヨーグルトにサッカリンを入れ、統制群では甘味料を入れないプレーンヨーグルトを提示した。飼育ケージでの2時間の内、後半1時間は通常の飼育用の餌も与えられた。残り22時間はオペラント箱に入れられた。この22時間の間に、90分間の実験セッションが4回実施された。実験セッションではレバーを1回押すたびに45mgの餌が与えられた。それ以外の時間帯は、レバーは引き込められており押すことはできず、ペレットを得ることもできなかった。この実験を14日間継続した。 その結果、ラットの体重やヨーグルト摂取量、飼育用の餌摂取量には群間に差が無かった。ただし、前半6日間では、第4セッションにおいて、90分のうち最初の30分間でサッカリン群のラットの方が多くレバーを押して、多くの餌を食べた。一方、前半6日間でも第1から第3セッションでは差がなかった。また、7日目以降でも差は認められなかった。 もし、サッカリン摂取により餌の摂取量が増える原因が、サッカリン摂取により条件性飽和の学習が阻害されることにあるのであれば、90分の実験セッション中の後半に群間に差が出ることが予測された。したがって、この結果は、仮説を支持しないものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度はやむを得ない個人的な理由により予定していた実験を実施することができず、十分な研究を実施することができなかった。そのため、補助事業期間延長申請を行い、認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の事情が解消されたため、本来、平成29年度に実施を計画していた実験を実施し、また論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
平成29年度はやむを得ない個人的な理由により予定していた実験を実施することができず、十分な研究を実施することができなかった(補助事業期間延長申請を行い、認められている)。
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