2017 Fiscal Year Annual Research Report
Pica as an index of rats' nausea
Project/Area Number |
15K04201
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
中島 定彦 関西学院大学, 文学部, 教授 (40299045)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 悪心 / パイカ行動 / 走行 / 水泳 / カオリン / 味覚嫌悪学習 / 条件づけ / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果を踏まえ、最終年度の計画として、過去の研究を発展・総括、さらに今後の研究につながり得るような実験を行った。実施した実験は以下の通りである。 (a)乳糖の経口投与(自発的摂取)による味覚嫌悪学習と異食行動について、平成28年度に実施した実験の条件を多少変更して、再確認した。ただし、効果は微弱であったため、今後もさらに実験を行う必要がある。(b)水泳によって生じる味覚嫌悪学習および異食行動の最適条件を探るため、水温を22℃、32℃、または42℃とする群間比較を行った。味覚嫌悪学習の形成のため分化条件づけ法を採用したが、用いた味覚溶液の種類や濃度が不適切だったためか、味覚嫌悪学習そのものがほとんど見られず、水温の効果を検討するに至らなかった。(c)マウスおよびハムスターを対象とした走行性味覚嫌悪学習ならびに異食行動の実験を実施し、現象の普遍性を検討した。マウスでは走行性味覚嫌悪学習を確認できたが、異食行動については摂取量が微量であるため測定を断念した。ハムスターについては走行性味覚嫌悪学習そのものが確認できなかった。(d)塩化リチウム投与によって生じる味覚嫌悪学習が、カオリン摂取によって減弱することを発見した。(e)シクロフォスファミド投与によって生じる味覚嫌悪学習はカオリン摂取によって減弱する可能性を示唆していたが、味覚嫌悪学習そのものが弱かったため、投与量をさらに検討すべきである。(f)摂食・摂水制限をまったく行わないラットやマウスで、回転カゴ走行を用いて味覚嫌悪学習を形成する技法を考案した。 以上の諸実験の成果および前年度までの成果に基づき、学会発表、論文の執筆・投稿・審査後の再修正などの成果発信を行った。 なお、当初予定していた、カオリン摂取量の24時間自動測定については、上記諸実験の展開に伴い、時間的・費用的観点から断念した。
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Research Products
(6 results)