2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K04210
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
國分 麻里 筑波大学, 人間系, 准教授 (10566003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 ヒョン辰 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10591860)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 植民地期 / 朝鮮 / 学校 / 100年史 / 卒業生 / 回想録 / 写真 / 地方 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目となる2017年度の目的は、韓国の地方都市を中心に多くの地域を回り、そこでの学校百年史を探し、植民地期の学校の様子を探ることであった。この目的に対して、以下の2つの成果を挙げることができる。 1点目は、3年目の目的であった韓国の忠清道および江原道を中心に植民地期を経験した学校百年史の収集が進んだことである。2017年度は以下の2つの日程で資料調査を行い、植民地期朝鮮の学校の状況を示す個所の収集をしてきた。 (1)5月18日~5月21日:江原道原州および春川、京畿道水原での資料調査。この(1)では、今まで入手できなかった江原道の原州および水原の百年史の収集を行うことができ、植民地期の学校の様子を把握することができた。特に原州小学校では、朝鮮の児童の当時の学校生活を知る資料を入手した。 (2)8月16日~8月20日:忠清道の堤川およびソウルでの資料調査。(2)では、忠清道の堤川市錦城面陽化里で学校史を収集している地籍博物館の李鎮昊館長に説明を聞きながら書堂および植民地期前後の教育に関する資料収集を行った。加えて、国会図書館や国立中央図書館において百年史以外の未収集の資料を入手することができた。 2点目は、関連の研究成果の報告ができたことである。2017年11月18日に韓国の清州にある韓国教員大学校において行われた2017年度4地域史学会共同国際学術大会にで本研究の関連の成果を報告したことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度の調査は5月および夏休みに行った。ソウルや釜山といった大都市ではない、地方の資料収集が順調に進んだことは、資料の広がりと比較という点において評価ができる。加えて、百年史だけに限定せず70年史や80年史なども収集したことで、植民地期の教育についてより具体的な資料を収集することができた。また、本研究に関連する研究成果について、韓国で実施された国際学術大会で報告できたことは大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2018年度の調査では、2017年度の地域調査を踏襲し、韓国の地方での百年史の収集を行なう予定である。現在まで、天安、大田、蔚山、原州、春川、水原といった京畿道や忠清道、江原道での資料収集が進んでいるが、全羅道ではまだ資料調査ができていない。この全羅道で資料の収集が行なえれば、韓国の6つの道の地方都市をあらから網羅したと言うことができる。だが、今までもそうであったが、地方都市での調査活動は主に市外バスなどの公共交通機関で行うため、時間がかかりなかなか調査が進まないことも予想されるが地道に行っていきたい。 2018年3月に研究分担者と最終年度の研究方針についての話し合いを行った。それに従い、今後は上述した全羅道での資料調査を行うことに加えて、今まで収集した資料の整理を行い、調査項目ごとに整理することを目的とする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は2つある。 1つめは、夏休み以外の長期休暇に韓国への資料調査が行けなかったことである。 2つめは、2018年度が最終年度となるために、臨時の追加調査を行う旅費、資料整理のための消耗品などの支出を余分に確保したためである。 使用計画については、2018度に韓国での調査活動を3回以上行い旅費として使用し、多くの資料を調査し資料を収集・整理の費用として用いる予定である。
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