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2015 Fiscal Year Research-status Report

ヘーゲル哲学からみたデューイ教育思想の再評価とその可能性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K04221
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

松下 晴彦  名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10199789)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsデューイ / ヘーゲル / プラグマティズム / アメリカ教育 / 教育思想
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度の研究計画は、研究課題の中心であるジョン・デューイの初期の思想形成に影響のあったヘーゲルの精神哲学、論理学、弁証法とこれらの英国の新ヘーゲル主義者の解釈、また19世紀の米国のセントルイス学派におけるヘーゲル研究の水準について資料の収集とその分析により精査することにあった。より具体的には、青年時代のデューイに影響のあったG.S.モリスやW.T.ハリスによる当時の論考(『思弁的哲学研究』の復刻版および一部マイクロフィッシュからのコピー)を入手し検討をはじめた。
平成27年度の課題の2番目は、初期デューイ思想に影響のあった有機体論的生物学および進化論的生物学に関する研究の分析であった。具体的にはデューイ自身の論考、The
Influence of Darwinism on Philosophyの分析と、若き日のデューイが手にしたT.H.ハクスリーのEvolution and Ethicsの精査とデューイに直接影響を与えたC.S.パース、W.ジェイムズらの進化論に対する理解が考察の対象であった。これらのうち、27年度は主にパースの近代認識論批判と進化論に関する論考をとりあげ分析を試みた。デューイ自身によるより原初的な見解が展開されていると考えられるミシガン大学時代、シカゴ大学時代の講義ノートとその分析については速やかに実施したいと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題の前半は、デューイ思想の初期の部分に関する公刊・未公刊の資料の収集と分析にあり、研究方法としては資料の所蔵機関での入手と学術雑誌などの復刻版の入手とその精査が中心である。そのため研究の進捗状況は、これらの基本文献と資料の収集に大きく依存する。
他方、本研究の中心的な資料の一部である、デューイ自身の講義ノートなどの収集は、アメリカのミシガン大学、シカゴ大学、南イリノイ大学、コーネル大学の図書館への訪問により実現されるが、これらについての機会を逸しており、次年度以降の実現が課題である。
平成27年度はウィスコンシン大学のホワイトウォーター校のアン・ダースト氏と研究交流の機会を得ることができ、ダースト氏よりデューイの中期の思想形成(主にシカゴ大学の実験学校による実践に基づく)について見解を共有することができた。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度については、引き続き前年度に収集した研究資料の分析に取り組むと共に、本研究の中心的な第一次資料である、ジョン・デューイの初期の講義ノート、セミナーの記録の収集につとめる。より具体的には、シカゴ大学のレーベンシュタイン・ライブラリーと南イリノイ大学のモリス・ライブラリーにおける資料収集と閲覧により、未公開の講義録や書簡のコピーを入手し、本研究課題のテーマであるデューイにおけるヘーゲル的なものの残滓・影響について実証していく予定である。
研究成果については、日本カリキュラム学会での成果発表、アメリカ教育学会での個人研究発表、日本デューイ学会での自由研究発表において実施する予定である。なお、初期デューイ研究の草分けてきな研究として名高いリチャード・バーンスタインによる『ジョン・デューイ』の翻訳書について、出版企画を作成し、公刊の可能性を探る予定である。

Causes of Carryover

当該年度の研究費の執行は総額としてはほぼ計画通りであったが、資料収集のための旅費と文献購入の調整から若干の繰り越しとなっている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前年度からの継続的な研究成果について、国内の学会の研究大会(教育哲学会:東京大学にて開催、日本デューイ学会:岐阜大学にて開催)での成果発表のための旅費を計上している。また引き続き、19世紀のアメリカのヘーゲル研究、進化論的生物学に関する当時の研究雑誌他の検索と購入を計上している。さらに、本研究の中心課題であるデューイによる未公刊の講義ノートと書簡の閲覧などのためにシカゴ大学図書館、南イリノイ大学のモリス・ライブラリーでの資料収集のための旅費の一部にあてることとする。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] グローバル化と新自由主義的統治の時代における批判的教育学の可能性(1)2015

    • Author(s)
      松下晴彦
    • Journal Title

      名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学)

      Volume: 62巻 Pages: 19-29

  • [Journal Article] 現代アメリカ教育思潮の変遷と展望-政治哲学・文化政治学・教育政策からみるアメリカ教育の動向-2015

    • Author(s)
      松下晴彦
    • Journal Title

      アメリカ教育学会紀要

      Volume: 26号 Pages: 65-66

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ポスト・ワシントン・コンセンサスの時代における超国家的アクターの位置-批判的教育学からの考察-2015

    • Author(s)
      松下晴彦
    • Organizer
      アメリカ教育学会第27回大会
    • Place of Presentation
      武庫川女子大学
    • Year and Date
      2015-10-31
  • [Book] 教育と学びの原理-変動する社会と向き合うために-2015

    • Author(s)
      松下晴彦 早川操 伊藤彰浩
    • Total Pages
      256
    • Publisher
      名古屋大学出版会

URL: 

Published: 2017-01-06  

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