2016 Fiscal Year Research-status Report
教育研究における脳科学受容に関する研究:教師の脳科学理解の規定要因に着目して
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15K04234
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
熊井 将太 山口大学, 教育学部, 講師 (30634381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 浩崇 愛媛大学, 教育学部, 講師 (10633935)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究として以下を実施した。 第一に、主に教員へのアンケート・インタビュー調査のための基礎的検討を行った。具体的には、杉田浩崇がアンケート原案・インタビュー項目を作成し、勤務校の大学院生や現職教員から意見聴取を行った。また、北海道教育大学の宮原順寛氏を訪ね、質問項目や調査方法について示唆して頂いた。以上の活動の成果として、インタビュー項目の精選が行われ、インタビュー調査実施のための下準備がほぼ終了したことがあげられる。 第二に、前年度に引き続き、教育における脳科学受容やエビデンス・ベースの動向について、調査を行った。具体的には、熊井が「教授学研究における『エビデンス』の位置価に関する検討」(日本教育方法学会)および「エビデンスに基づく学級経営の批判的検討」(中国四国教育学会)と題した研究発表を行った。そこで明らかとなってきたことは、例えばドイツにおいては「可視化された学習」に代表されるように、エビデンスに基づいて授業を構成し、評価しようとする動向が勢いを増してきていることであり、さらには授業のみならず学級経営といった領域にまでエビデンスを求める声が拡大してきているということであった。これらの両発表は、学会紀要・大学紀要で論文化されている。 第三に、脳科学や心理学、あるいは科学史・科学哲学に関する文献の収集と購読である。熊井・杉田で分担し、脳科学や科学哲学等、周辺領域に関わる文献をリストアップし、購読を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、教員へのアンケート・インタビュー調査は平成28年度に行う予定であったが、これを平成29年度へと延期した。ただし、これは研究の遅れということではなく、その内容項目の妥当性や、その基盤となる理論的部分の検討を慎重に行うことにしたためである。それ以外の部分については順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の成果をふまえて、平成29年度は教員へのインタビュー調査を実施する予定となっている。すでに対象者、実施時期について熊井・杉田の間で調整を開始している。その成果もふまえて、国内学会あるいは国外学会にて成果報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画段階では、H28年度に海外渡航を予定していたが、研究代表者および分担者の都合がつかなかったこと、および本格的な成果報告を翌年に延期したことを理由に、海外渡航を実施しなかった。その結果、残額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度には、28年度に実施できなかった海外渡航の計画があるので、その旅費の補助として残額を活用する予定である。
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