2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study of verification and utilization on scale measuring attitudes toward rural practice scale
Project/Area Number |
15K04236
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川本 龍一 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (50542908)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域志向性 / 自己効力感 / 診療科選択 / 学生教育 / 尺度 / 総合診療 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の前半では、これまでの研究から医学部を対象に開発した地域指向性尺度(本尺度)を含むアンケート調査を基に、本尺度を含む診療科選択に関する要因を分析し、地域指向性がコンピテンシーとして最も必要とされる総合診療科の選択要因を明らかにした。また、本尺度を活用して男女における診療科選択の差異と要因を明らかにし、その有用性と精度の検証を行った。 研究の後半では、へき地医療従事のための自己効力感の解明を試みた。対象は、166人の女子医学生(22±2(19-34)歳)と、243人の男子医学生(23±3(18-41)歳)で構成され、第1-3年生の低学年が60.9%、第4-6年生の高学年が39.1%であった。分析では、以前行われた地域医療実習に関する学生のポートフォリオ分析から、新にへき地医療のための自己効力感を測定する質問項目の特定を横断的に行った。家族や個人的問題、多職種連携、専門的問題、プロ意識、地域性、学習スキルなどからなる32項目が抽出された。さらに因子分析を用いて、15項目からなる4因子を同定した。抽出された要因は、第1因子:作業選好、第2因子:農村実践の評価、第3因子:農村生活、第4因子:個人特性であった。アンケートのCronbachのアルファ係数は0.849であり、新たに開発されたスケールとして許容可能であった。スクリープロットは要因のために示し、全体の分散の46.8%を説明した。平均スコアは、女性で43±6点、男性で44±6点であった。へき地医療自己効力感は、男女で医師不足地域での勤務指向が強いほど有意に増加した。へき地医療自己効力感の総得点、第1因子:仕事選好、第2因子:仕事評価、第3因子:へき地生活は、医師不足地域での勤務指向と有意かつ独立して正の関連を示した。医師不足地域での勤務医増加には、以上の特徴を考慮した学生への対応が有用かも知れない。
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