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2015 Fiscal Year Research-status Report

対面授業が入ったブレンド型授業における「書き込み」と「成績評価」の総合的な分析

Research Project

Project/Area Number 15K04255
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

保崎 則雄  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70221562)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山地 弘起  長崎大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10220360)
鈴木 広子  東海大学, 付置研究所, 教授 (50191789)
稲葉 利江子  津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90370098) [Withdrawn]
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsオンデマンド講義 / 対面式講義 / ブレンド型授業 / 書き込み / 成績
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、オンデマンドの講義+対面式の授業のブレンド型の授業科目における受講生の書き込みを分析するものである。学習の時間的な経過、担当教員の介入、授業科目の最終成績との関連、各回の受講の様相を明らかにするものである。今年度明らかになったことは以下の点である。
1)BBSの書き込みに関して、担当教員のコメントも含めた、受講生間の主体的なディスカッションに発展しにくい、「フォロアーの表現」というものが存在する。それは、Hewitt(2005)が指摘した項目の一つである「議論が出つくす」状態のときであることが確認された。
2)Chanら(2009)が指摘する「教員の参加」が学生の書き込みに想像以上に影響を与える。指導教員のフォローするコメントの内容により、受講生の書き込みの文体、内容が明らかに変化し、学生は能動的にも受動的にも変容する傾向がある。教員がファシリテートするような役割を果たすとthreadsがつながりやすくなる傾向が見られ、まとめるような表現(summarizing)をすると、それで書き込みが終了するという傾向が見られた。また、書き込み者が疑問を投げかける表現(questioning)をすると、書き込みがつながりやすくなり、内容に関して知識があるなしに拘らず、コミュニケーションを続けるという傾向は観察された。
3)また英語環境で、TEDを利用して行ったディスカッションにおいては、書き込み当初の時期には、自分が理解できたことの要約のような内容が、自分の経験などを入れて英語表現として書き込む傾向に変容することが観察された。別の「身体コミュニケーション」の授業でのBBSの書き込みにおいては、やはり教員からのフィードバックの蓄積が有機体への信頼を高める傾向が到達目標に寄与することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の初年度の予定を鑑みると概ね順調に進展している。しかしながら、研究2年目としては、それなりに課題が挙げら得る。オンラインディスカッションへの学生参加についての消極性については、昨年度の様子を踏まえ、対面授業との関係を見直す必要もありそうで、今年度は何か仕掛けを工夫する必要があると実感している。成績評価という縛りも、授業科目で調査している以上、ある程度は必要であると思われる。且つ、書き込みを積極的に行う、コミュニケーションを始める、維持する、発展させるような仕組みはさらに考慮する必要を感じた。オンライン・対面における担当教員の接し方、あるいは、以前で言えば、シスアド(担当教員)の文体、表現、書き方などと書き込んだ内容でかなりオンラインコミュニケーションは影響が出て来るという傾向は興味深い。同時に、ひとりの書き込みにフォローし、議論が有機的に展開するようにより注意することが重要であろう。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、ディスカッションにより多くの人が主体的に参加するような仕組みを、授業内容に拘らず、授業回毎に試してみる予定である。たとえば、毎回の授業内容に関してまず担当教員が、明示の疑問を投げかける(questioning)、すべての書き込みに担当教員がコメントするというような仕掛けである。担当教員は、指摘、疑問提起、解決、まとめという4種類の書き方(Chanら、2009)を試して反応を見る、担当教員が受講者名を入れてコメントすることなどを意図的に試みる。また、コメント書き込みまでの時間、フォローイングコメント間の時間経過と成績との関連を定量的に分析することも行う予定である。
さらに、「プレゼンテーションの基礎知識と技術」の科目においては、対面授業において、それまでの5回のオンデマンド授業と合わせてアンケート調査をし、ブレンド型の効果のみならず、取り組みやすさといったことを調査したいと考える。

Causes of Carryover

2015年度収集したデータの処理に予想以上に時間がかかり、また、収集されたデータの形式、質が予定と少々異なった形で出て来たため、当初の使用予定のテキストマイニングの解析プログラムの購入が、遅れた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

2016年度は、継続して授業科目の実施によりデータを収集する予定であり、そのデータでは新規購入の解析プログラムを使用して分析する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Learning ESP vocabulary: An analysis redefining the relationship between input2016

    • Author(s)
      Hiroko Suzuki, Miho Fujieda
    • Journal Title

      Language Education & Technology

      Volume: 52 Pages: 299-318

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 身体への信頼 ー体験学習型授業における効果検討と尺度の改善2015

    • Author(s)
      山地弘起
    • Organizer
      日本心理学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2015-09-22 – 2015-09-24
  • [Presentation] オンライン・ディスカッションにおける発話の生成過程の分析2015

    • Author(s)
      菅原安彦 鈴木広子 保崎則雄
    • Organizer
      外国語教育メディア学会 第55回全国大会
    • Place of Presentation
      千里サイエンスパーク
    • Year and Date
      2015-08-04 – 2015-08-06
  • [Book] ソマティック心理学への招待 ー体と心のリベラルアーツを求めてー2015

    • Author(s)
      山地弘起
    • Total Pages
      47-64
    • Publisher
      コスモスライブラリー

URL: 

Published: 2017-01-06  

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