2016 Fiscal Year Research-status Report
対面授業が入ったブレンド型授業における「書き込み」と「成績評価」の総合的な分析
Project/Area Number |
15K04255
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
保崎 則雄 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70221562)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 弘起 長崎大学, 大学教育イノベーションセンター, 教授 (10220360)
鈴木 広子 東海大学, 付置研究所, 教授 (50191789)
稲葉 利江子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90370098) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | オンデマンド授業 / 書き込み / 対面授業 / 授業評価 / ディスカッション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、春学期担当の「効果的なプレゼンテーションの基礎知識と技術」の授業において、5回のオンデマンド授業と1回の対面授業を実施し、データを収集した。その授業のデータは、オンデマンド授業5回の授業ビデオ視聴後の書き込み(合計778件、平均156件/授業回)と6回目の対面授業(68名出席/107名の登録)の評価、さらに授業全体を通しての授業評価を実施した。書き込みの全ログの分析はまだ終了していないが、2種類の書き込み(自分発信のコメントと他の人のコメントへの反応)をクラス課題として実施した。その結果、他の人の書き込みへのコメントや感想、支持、賛成、反論、批評は、教員の書き込みが一定の影響を与えることがわかって来た。積極的な書き込みで学びの場を作り上げていこうという大学のLMSにおけるオンライン授業内でのディスカッションは相手のことを想像以上に丁寧に扱う傾向がある。 他方、異なるプラットフォームにて、社会情動的学習の観点からの実践では、大学教養教育でのアクティブラーニングの効果査定を試みた結果、まず、LMS上での授業外学習を並行させた身体心理教育を行い、身体アウェアネスがマインドフルネスを高めることを確認した。また、対面でのグループワークを多用する授業では、公的自己意識の高い学生の場合、汎用技能の伸長が妨げられることを見いだした。 さらに、TEDを教材として視聴し、BBSでの英語による書き込みを調査した結果、オンラインディスカッションでの言語分析においては、相手の言葉を効果的にintakeし、自分の言葉に置き換えて、outputするということができている学生が関わるディスカッションがスムーズに進行する傾向が見られたのは最終年度の収集予定のデータへの示唆になるであろう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が昨年春に交通事故を起こして入院し、夏までの授業におけるデータ収集まではなんとか終えることができたが、業務がやや滞り、夏以降の分析に時間がかかっている。冬には一応の分析は終えたが、学会、研究会での発表の機会を失い、年度末からまとめている。今年度の口頭発表、論文投稿は昨年度をカバーするペースで行なっており、春学期に始まる授業でのデータ収集と合わせて、分析を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度研究者らが担当する授業において収集したデータの分析を一応終えてはいるが、今年度研究代表者が担当する「効果的なプレゼンテーションの基礎知識と技術」において、研究補助者の協力を得て収集する予定であるデータを現時点の授業開始前においては、授業受講登録者が100名分となっている。まず、この本年度の書き込みと昨年度の書き込みを比較して傾向の差異を分析するのが今後の研究予定である。2年度に渡って実施する、オンデマンド5回の授業+1回の対面式授業のブレンド型の授業は、内容からはほとんど同じ内容であり比較には問題ないものと判断する。今後は特に、成績上位10~20名と下位20名程度の書き込みの内容と合わせて、ビデオ授業の視聴からの時間経過といった定量的なデータの分析も加えたいと考える。 データ量が多くなるため、研究協力者である大学院生の力も借りて、各回の授業視聴後の書き込み、年度間での際の比較などへと進めて行く予定である。
|
Causes of Carryover |
オンラインでの書き込みの分析のプログラムの購入を2016年度早々に行う予定であったが、研究代表者の交通事故により発注そのものが遅れ、その結果、連動して分析にやや遅れをきたしているため、2016年度内での購入が叶わなかった。同時に、その他の新しく市場に現れた分析プログラムもあり、機材購入と合わせて発注が遅れた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、申請時のデータマイニング用の解析プログラムであるSPSS データマイニングの購入を予定はしているが、この1年半あまりで他のプログラムも市場に現れてきており、一度比較検討し、今までの手作業をどれだけ節約できるのか、あるいは期待する結果が期待できるプログラムなのかという点などを総合的に判断しつつ、春学期の授業での書き込みが6月から始まるため、それに合わせて再度検討し、決定したいと考える。
|