2015 Fiscal Year Research-status Report
地方国立大学の地域貢献型生涯学習体系に関する実証研究
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15K04295
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
村田 和子 和歌山大学, 地域連携・生涯学習センター, 教授 (00511370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 一弘 和歌山大学, 地域連携・生涯学習センター, 講師 (60516459)
浅野 秀重 金沢大学, 地域連携推進センター, 教授 (90334789)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大学生涯学習 / 大学の地域貢献拠点 / 大学と地域の連携 / 人材養成プログラム / コーディネーター / COC / 公開講座 / 地域課題解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、1.地方国立大学における自治体・地域生涯学習への貢献についての歴史的変遷並びに現状における実践構造の分析に着手した。2.地方国立大学の地域貢献「拠点」の現状と課題についての把握と検証を行った。まず、文献・書誌からの先行研究レビューを行い大学と地域についての歴史的系譜を概観したうえで、地方国立大学の25大学が加盟する「全国生涯学習系センター系協議会」(以下、センター系)における承合事項・アンケート調査をもとに実践構造の分析を進めた。地方国立大学の自治体・地域生涯学習の貢献は、現在もなお、いわゆる「公開講座」の実施が主流を占めている一方「地域課題の解決」を意図した人材養成、社会人の学び直しや新たな履修証明プログラムなどの実施が進行している。 「地域課題の解決」を志向する大学の取り組みの背景には、COC及びCOC+といった近年の高等教育政策との関連を研究する必要があり、センター系においては組織再編を伴いつつ、これまでの主な機能・中核的な事業に加え、新たに「地域再生・活性化」や「学校と地域の連携」が加わり、地域課題解決に向けた取り組みが加速していることが伺えた。 そこで、実践構造の分析を進めるため、アンケート調査によって判明した地域貢献事例について特徴のある大学事例について現地でのインタビュー調査、資料収集を行った。(宇都宮大学・金沢大学・鹿児島大学・和歌山大学)。「拠点」の現状については、自治体との連携によるサテライトキャンパスの設置と生涯学習との関連について(和歌山大学・金沢大学)の事例からの検討を進めた。さらに、研究代表者(村田)と研究分担者(西川)は、所属機関における短期の研究留学制度の活用を図ることができ、科研費において平成28年度に予定している韓国の公州大学校での調査の予備調査として実施した。以上に係る研究成果は、関連学会(日本社会学会)において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、地方国立大学の自治体・地域生涯学習への貢献についての現状把握を行うことにより、実践構造の分析を進めるにあたり必要となる知見を一定程度得ることができた。さらに、得られた知見をもとに実践構造の分析を進めるとともに、全国国立大学生涯学習系センター協議会の研究者ネットワークの強化及び研究協議にも貢献することができた。 これらにかかわる研究成果は、関連学会(日本社会教育学会)並びに和歌山大学地域連携・生涯学習センター紀要等に研究論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
地方国立大学の地域貢献拠点の現状については、「生涯学習<系>」センター、「サテライトキャンパス」の設置及び実施事業の現状把握を行った。その研究成果を活かし、地域貢献型生涯学習体系を、①「地域活性化・地域再生」と大学生涯学習との関連、②「地域課題解意図した人材養成」の展開構造の分析 ③「学校と地域の連携」の協働事例の検討 ④「拠点が地域貢献戦略の中枢を担いうるかの検証の4つのアプローチにより、大学の生涯学習の現状及び課題、実践構造の分析を進め、協働システムを明らかにする。また、そのために必要となる現地調査を引き続き実施する。(香川大学、静岡大学、弘前大学、秋田大学を予定)さらに、韓国公州大学においては平生教育振興院における自治体連携及び大学平生教育院に配置されている平生教育士の役割についても引き続き、資料収集、調査を進め、今後の比較研究につなげていく。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の実施にあたり、格安航空券の購入に努めたことにより、調査旅費に残金が生じた。また、資料収集・文献書誌の購入については他の経費の活用を進め、本研究の予算の効率的な運用を図った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度も引き続き、現地調査に必要な旅費が、研究費の主な使途であるため、今後の研究計画の遂行のための調査旅費としての充当を計画している。
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Research Products
(6 results)