2017 Fiscal Year Annual Research Report
Positive study about reorganization in a Community learning Centerl in earthquake disaster reconstruction
Project/Area Number |
15K04319
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
上田 幸夫 日本体育大学, スポーツマネジメント学部, 教授 (90103564)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 公民館 / 施設再編 / 自治公民館 / 分館公民館 / 公民館類似施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然災害が起こるたびに、公民館が避難所になるケースは繰り返されながら、公民館が避難所として、どのような機能を果しているのかについての分析はされてこなかった。本研究は、東日本大震災の大規模な被災に見舞われた岩手・宮城・福島において、避難所になった公民館の実態とその役割に関する研究である。 震災復興過程において、身近な地域公共空間としての公民館の「分館」や「自治公民館」への期待が大きかったゆえに、これら含めた公民館制度の全体像を再構築する必要性を明らかにした。そのうえで、今日の公民館が直面している施設再編実態を明らかにした。 今日の日本の公民館の実像は、「地域の茶の間」のような身近な存在であった公民館は姿を消し、次第に広域で大規模な公民館へと転換している。しかし、災害復旧過程において浮かび上がったのは、身近な公民館の存在の意義であった。ところが、その身近な分館公民館・自治公民館は、施設建設補助金などの関係から、主に1970年代以後、さまざまなコミュニティ関連施設として変質を遂げ、公民館としての位置づけから外れていた。その実態を明らかにし、それら施設の歴史的な経緯を踏まえ、多様化している地域施設を取り込んだ「公民館としての地域配置設計」の再構築を図る課題を提起した。 分館公民館・自治公民館含めた公民館制度全体を見通す制度設計にかかわる公民館研究の必要性を提起したが、本来、公民館活動が、住民の自治的活動との相互関係性を持つ本質規定を重ねてみれば、分館公民館や自治公民館は、公民館本来のあり方を明示しているといえる。 都市化の過程とモータリゼーションの進展は、大きく地域生活を変質した日本社会において、分館公民館や自治公民館をあらためて再定位するなかで、地域にねざす公民館の在り方の再構築を図る必要が生まれている。
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Research Products
(1 results)