2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04334
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Research Institution | Aichi Gakusen College |
Principal Investigator |
清原 みさ子 愛知学泉短期大学, その他部局等, 教授 (00090366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 和子 名古屋芸術大学, 人間発達学部, 教授 (80087915)
寺部 直子 愛知学泉短期大学, その他部局等, その他 (20759592)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 幼児教育・保育史 / 終戦前後 / 保育内容 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、アンケート調査の対象となる園を確定するため、帝国教育会が編纂した『新令解釈幼稚園研究』(大正15年)に紹介されている幼稚園の名簿、厚生省社会局の『第十六回社会事業統計要覧』(昭和15年)に掲載されている「昼間保育」の施設一覧表、各県・市の幼稚園・保育所名簿、私立幼稚園連盟(協会)、民間保育園連盟の加盟園一覧や、各園のホームページ等を探った。この作業は、時間と手間がかかり大変であった。また、各県や市の教育史をはじめとして、教育・保育・福祉の歴史にかかわる諸著書等も参考にした。 問い合わせへの返答は、現在までのところ、多い県で40%ほど、少ない県では30%以下であり、そのうち資料があるという回答は半分ほどであった。残されている資料は、写真・アルバムが多かった。保育日誌・園日誌が残されているところから訪問するようにした。アルバム・写真は、集合した記念写真のみなのか、保育内容がうかがえるものなのかは、見てみないとわからないため、昭和10年代、20年代とも「ある」と回答してくれた幼稚園・保育所へは、できるだけ訪問するようにした。 28年度には、前年度から整理してきた堅磐信誠幼稚園(名古屋市)、小倉幼稚園(北九州市)、小川幼稚園(京都市)の保育日誌から、保育の実際について比較検討した結果を、日本教育学会第75回大会で発表した。 保育日誌・園日誌が入手できた公立幼稚園(東京都港区)、私立幼稚園(東京都江戸川区・キリスト教)、私立幼稚園(京都府京都市・仏教)、公立幼稚園(岡山県高梁市)の4園について、行事、保育内容、研究・研修、保育への思い等に分けて実態を明らかにし、今年度の日本教育学会第76回大会で発表する準備を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
28年度には、調査対象となる幼稚園・保育所の確定作業を進めながら、資料があると回答のあった幼稚園・保育所を順次訪問した。この年度の予定は、おおむね達成できたが、初年度に資料収集のための訪問が少なかった分まで取り戻すことはできなかった。そのため、最終年度の前半にも、資料の有無の問い合わせをした上で、訪問しなければならない県がかなり残ってしまった。残された県の対象となる幼稚園・保育所へのアンケートの発送は、連休明けには済ませ、現在、回答待ちである。 これから訪問しなければならない県は多いが、戦前に設立された幼稚園・保育所(託児所)が多い都府県は優先して資料の有無を尋ねる調査を行ってきたので、三分の二ほどの収集は終了していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者が中心になって資料収集に動けるように、勤務校の出校日を1日減らして、2日連続で研究日にしてもらった。5月には資料の有無を尋ねるアンケート調査の回収を済ませ、資料があるという幼稚園・保育所への訪問をはじめる。夏休み中には資料収集を終えるようにする。 同時に、日本教育学会第76回大会での研究発表の準備を進め、8月の大会で発表する。 9月以降は、収集した資料の整理を、分担して3か月ほどかけて行い、その後、分析・検討にかかる。分担して原稿をまとめ、全員で確認しながら、報告書を作成する。報告書は、資料収集に協力してくださった幼稚園・保育所をはじめ、関係者・関係機関等に送付する予定である。 今まで日誌等を分析する中で、戦後は、戦時色をなくす、戦争関連のものは取り上げないという変化は見られたが、例えば大詔奉戴日や神社参拝を行わなくなった時期には、園により違いがあることがわかってきたので、細かく分析していく。また、8月15日前後の保育者の思いは、保育を中断することがなかった園でも、夏休み中であることもあって記入例が今のところわずかであるため、保育に携わった人が戦前の保育をどのようにとらえていたのかも含めて、分析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
年度末に訪問するつもりでいた園が、先方の都合があって4月以降になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の前半に集中的に資料収集のための訪問を行う。
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Research Products
(1 results)