2017 Fiscal Year Research-status Report
多様性を尊重する異文化間教育を担う教員の養成-欧州審議会とNGOの共同研究から-
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15K04348
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
吉谷 武志 東京学芸大学, 国際教育センター, 教授 (60182747)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教師教育 / 異文化間教育 / EU / 欧州審議会 / NPO / 多様性 / 移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる対象である欧州審議会(Council of Europe)が実施している教員研修プログラムであるペスタロッチプログラム(Pestalozzi Programme)は、加盟国の教員養成、研修支援等の組織と提携して教員の異文化間教育研修を行うとともに、教員の異文化間教育研修に関する理論的研究を行うものである。 平成29年度は、第2年度までに行った調査研究、海外での研究発表と関係分野の専門家との研究交流をもとにとりまとめた知見について、主たる研究対象である欧州審議会のペスタロッチプログラムの責任者であるJ. Huber氏を訪問し、研究成果に関するレビューを受けた。 以上の調査研究の成果をもとに、研究テーマについて得られた知見をとりまとめた。 特に、①多文化化が現実化した欧州各国において、従来の国民国家を想定した、単一文化的な国家、教育環境を念頭に置いた教員養成、研修は、大幅に変更せざるを得なくなっていること、②そのために新たな多文化社会状況を反映する多文化的な学校、つまり生徒も保護者も文化的に多様な背景を持つということを想定した異文化間教育訓練が教員には必須であること、③こうしたものへの対応として、欧州審議会ではペスタロッチプログラムにより、多文化社会の教員像、生徒に必要な諸能力像(コンピテンシー)の明確化がなされ、④これに見合った、具体的な教員研修プログラムや研修を支える理念が多く作成(試作)されていることなど、が明らかになり、実際の訓練プログラムについての資料をも収集することができた。 ただし、研究成果についてのとりまとめに時間を要したために、成果発表の場所を国内の関連学会に変更し、2018年度の発表に向けての調査報告の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果のとりまとめのために行った研究レビューにより所期の目的であるペスタロッチプログラムについての特色や現状、理論的到達点はかなり明らかになったと言える。 しかしながら、関連学会での発表ができなかったので、それを平成30年度(2018年度)に繰り延べた点がやや遅れたという判断になった。 なお、成果発表は平成30年(2018年)6月の日本比較教育学会にて行う予定であり、当初の計画を達成する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
既にまとめている研究成果を、関連学会である日本比較教育学会第54回広島大学大会(平成30年、2018年6月開催)にて発表する。
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Causes of Carryover |
研究成果のとりまとめに時間を要し、研究発表を関連学会で発表することができなかったため、平成30年度に関連学会で研究成果を発表することとした、このため、必要経費を残し平成30年度に支出することとした。
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