2016 Fiscal Year Research-status Report
「不読」は本当か?-デジタルネイティブ世代の読書に関する実証研究-
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15K04349
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
腰越 滋 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20269343)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 読書 / デジタル・ネイティブ / 社会化 / 電子媒体書籍 / インセンティブ / 学力 / 経済資本 / 文化資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始2年度目の平成28年度は、①研究初年度実施の調査の単純集計報告書を作ったこと、②研究テーマに即した文献にあたって中高生の読書について理解を深めたこと、③学校図書館への訪問調査および公共図書館への訪問見学などが、主たる研究実績概要となった。 まず①については、データのバグを取り除くクリーニングに苦慮したことも相俟って、上梓時期が非常に遅れたものの、2016年12月に『研究結果・中間報告“「読書活動」に関する実態調査”の集計結果』(PDFで124頁)をまとめた。本報告書については、2017年1月に調査対象校などに郵送された。 次に②についてであるが、特に下記の文献などを大学院生らと輪読する中で、内容の検討を行った。☆ 国立教育政策研究所 編 2010,『読書教育への招待 確かな学力と豊かな心を育てるために』,東洋館出版社( ISBN:978-4-491-02589-6 ¥3300E )/☆ 国立青少年教育振興機構 編 2013,『子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究 報告書』( http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/72/ ) そして③についてだが、2017年3月に岡山県内の学校図書館や公共図書館を訪問調査した。特に小中高の学校司書や司書教諭にインタビューを行う中で、最終報告書上梓に向けても参考となる貴重な知見を得ることができた。 以上、①から③の実績を踏まえ、最終年度には最終報告書を上梓する方向で研究を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最終報告書に向けて、構造方程式モデリング(SEM)を試行し、学会報告も行ったが、よいモデルが得られておらず、暗礁に乗り上げた状態になっているため。 だが、重回帰分析からロジスティック回帰分析を含むモデルなどを試しながら、ベターなモデルに近づけるように努力し、修正モデルを含んだ形で最終報告書を作成したいと考えている。 もう一つは、調査データの入力依頼を委託した入力業者の仕事ぶりが極めて杜撰で、後ほどバグがどんどん見つかり、この点は大きな反省点である。(経験値不足で優良な業者の選定が十分にできなかった)。
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Strategy for Future Research Activity |
単純集計の報告書を踏まえ、それとは別にしっかりとした解析・分析を盛り込んだ最終報告書を、年度内に何としても上梓したいと考える。まずは6月までには最終報告書プロットについてのミーティングを行い、着地点を見据える。 続いて、昨年度に引き続き学会報告が出来ないかを検討する。というのは、学会報告を間に挟むことで、タイムリミットが生じ、そこに向けて無理矢理にでも解析の作業を進めることができるからである。 もう一つは同種の調査データとの比較を、報告書に盛り込むことを検討する。目下のところ、国立青少年教育振興機構 (NIYE)による読書調査データの再分析許可を得ているので、これの再分析と自分の採取データとの比較を試みることは可能であると思料する。
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Causes of Carryover |
当初計画では解析ソフトのヴァージョンアップと、それをインストールして使う分析用PCの買い換えとを考えていた。しかしソフトウェアのヴァージョンアップは、平成29年度に入ってからとの情報を入手したため、繰り延べとした。連動してPCの買い換えも次年度に計画することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
まず解析ソフトSPSSを、現状では22しか所持していないため、25へとヴァージョンアップする。連動して分析PCも新規に一台を新規購入し、最終報告書作成のための解析作業に取り組む予定である。 もう一点、最終報告書上梓のためには独力では困難を極める。そこでアルバイトを雇用し、研究補助をいただきながら、研究最終年度末までに何としても報告書を完成させたい。
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