2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿曽沼 明裕 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (80261759)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 研究大学 / 分権的運営 / 部局の経営 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大学の運営上、大学中央の権限強化だけではなく、部局レベルの経営力強化が必要ではないかという問題意識から、研究大学の分権的運営と部局経営の実際について日米比較検討を行うものである。そのため当該年度は、第一に米国の研究大学に訪問し、インタビュー調査を行い、第二に過去に行った研究大学に関する調査の資料を再分析し、その範囲で可能な論文を作成した。 具体的には、前者については、米国の中西部のウィスコンシン大学マジソン(獣医学部・文理学部・工学部・法学部のディーン室、ファカルティ事務局)、イリノイ大学アーバナシャンペーン(本部の財務担当副学長・研究担当副学長、農学部・ビジネススクールのディーン室)、インディアナ大学ブルーミントン(文理学部、教育学部、情報・計算機学部のディーン室)に訪問し、部局の運営に関するインタビューを行った。後者については、主に過去に行った米国の研究大学の大学院教育の財政的・組織的基盤に関する調査を再分析し、「米国研究大学の分権的運営を支える部局の経営」と題する論文を作成、雑誌に投稿し採択された。この論文作成を通じて分析の枠組みの検討を行うことができた。 このほか、米国の研究大学の形成の歴史に関する文献の収集と整理を行った。また、他の研究プロジェクトで行ったドイツ、イギリスの研究大学の研究組織・研究所に関する訪問調査についても再分析を行い、欧米の大学の部局運営について知見を得るとともに、本研究の枠組みの検討のための参考とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度はやや遅れていると評価したが、それは米国の研究大学への訪問調査が行えなかったためであるが、当該年度はいくつかの研究大学に訪問しインタビューを行うことができた。とくに部局レベルだけでなく機関レベルの調査もできた。また、論文を作成し採択され、その際に使用した分析枠組の妥当性も認識できた。以上より上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、次年度に関しては、予定通り、第一に、引き続き米国の研究大学への訪問調査を行い、得られた資料を整理し、第二に、米国の研究大学の分権的運営の発展の歴史的経緯について整理を行い、第三に、日本の大学の部局運営について特徴を検討する。
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Causes of Carryover |
初年度に、本務校の業務が忙しく、米国の大学への訪問調査が行わなかった部分の未使用額が繰り越されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画していた大学への訪問調査の機会を増やし、調査分析用のパソコンを購入する予定である。
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