2017 Fiscal Year Research-status Report
メキシコにおける子どもの福祉と教育に関する歴史研究
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15K04362
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
青木 利夫 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40304365)
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2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | メキシコ / 子ども史 / 福祉 / 矯正施設 / 保護 / 職業訓練 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
メキシコ保健省の歴史文書館において昨年度に実施した資料調査の結果、本研究課題に関連する多数の文献・資料が保管されていることがわかったことから、本年度も同文書館における資料調査を二回に分けて実施した。昨年度は、19世紀後半の子どもに関わる公共福祉に関連する公文書を中心に調査したが、それを踏まえて本年度は第一回の調査で、19世紀後半のメキシコ・シティにおける子どもの保護・矯正施設に焦点を絞って、その規則、活動計画、活動報告などに関する公文書を閲覧した。そして、この調査記録をもとに、子どもに対する福祉政策がはじまる19世紀なかばから19世紀末にいたる時期に焦点をあて、これらの施設の実態やその変容、活動内容などを分析し、その成果を昨年度に実施した「非行少年者」の保護に関わる研究とあわせて論文としてまとめ、学術雑誌において発表した。
第一回の調査で閲覧することのできた公文書は19世紀末までのものであったため、第二回の調査においては20世紀前半にかけて出された子どもの保護・矯正施設に関する公文書を中心に閲覧した。この調査では、19世紀後半より施設内で行われてきた保護された子どもたちへの基礎教育や職業訓練などの活動が、20世紀に入ってさらに促進されていく実態が明らかとなってきた。こうした研究の成果については、改めて学術論文として発表する予定である。
資料調査による記録にもとづく学術論文の発表に加え、本年度は所属学会において、子どもの教育と社会変革をめぐる地域のつながりを分析した研究発表をおこなうとともに、メキシコで開催された国際セミナーにおいて、メキシコにおける子どもの教育との比較を念頭におきながら、日本の子どもの問題に関する報告をおこない、現地の研究者と意見交換をした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度におこなったメキシコ保健省歴史文書館での二回にわたる資料調査において、日本では入手不可能な資料を閲覧して記録をとり、それにもとづいて研究を進めることができた。そして、その成果を昨年度の研究成果と合わせて学術論文として発表した。また、所属学会およびメキシコでの国際セミナーに研究課題に関連する報告をおこなった。
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| Strategy for Future Research Activity |
来年度は、研究期間の最終年度となるが、メキシコ保健省歴史文書館をはじめとする関係機関には、まだ閲覧していない本研究課題に関わる資料が多数保管されていることから、引き続き資料調査を継続したい。そして、日本において研究蓄積のないこの分野のさらなる研究の促進を目指して、本研究課題をさらに発展させるための新たな課題を検討する。また、これまで調査・収集した文献や資料および記録を整理し、それをもとに学術論文を発表する。
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