2017 Fiscal Year Annual Research Report
Life History of Teachers in the Era of Distrust for Education
Project/Area Number |
15K04363
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 浩之 広島大学, 教育学研究科, 教授 (60258324)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 教員 / 教師 / ライフヒストリー / 教員像 / 教員免許更新制 / ライフストーリー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は最終年度であり、教員研究に関する理論、ライフヒストリーに関する方法論を検討するとともに、教員のライフヒストリーに関する聞き取りを実施し、それらの総括的にな検討を行った。また、その成果をもとに教員免許更新制などとの関係について事例的な分析も実施した。具体的には以下のように研究を進めた。 1)教員のライフヒストリーについては、休職・退職した教員に対する調査を継続して実施した。また、その結果の一部を論文としてまとめて公表した。その概要は次のようなものである。近年、教員はブラック職業と呼ばれており、それに対する働き方改革などが実施されてきた。しかし、教員の労働環境は、たんに労働時間を短縮するだけでは改善されない。教員が持つ、献身的教師像、熱血教師像が教員の仕事を規定しており、教員は容易にそうした自己の教員像から抜け出すことができない。こうした教員像が教員に過重な労働を強いている。それゆえ、「真面目」な教員ほど、自己の教員像を修正できず、教員という職業の困難を抱えることになる。 2)本研究では、言説研究やライフヒストリーにより、教員の職場環境の悪化やそれに対する意識を明らかにした。その成果にもとづき、教員免許更新制の制定と実施、また、その現状についての調査を行い、台湾、中国などとの共同研究を進めている。とくに台湾においては、日本を参考にして教員免許更新制の導入が検討されている。本研究は日本の教員の職場環境、またその専門性とともに、教員免許更新制について議論している。 以上の研究成果は、台湾教育社会学会、中国四国教育学会の他、北京師範大学でのフォーラムなどでも報告した。
|
Research Products
(7 results)