2015 Fiscal Year Research-status Report
日本と韓国の中等教育機関における隣国語教育の意味と課題に関する研究
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15K04370
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
澤邉 裕子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (40453352)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 韓国語教育 / 隣国語教育 / ライフストーリー / 教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本も韓国も外国語教育と言えば、第一に「英語」の教育が挙げられ、英語教育熱は高い。そうした中で、現在韓国で日本語を、あるいは日本で韓国語を学び、教えるということにはどのような意味があると考えられているのか、中等教育段階における隣国語教育が持つ意味について質的研究の手法を用いて探ることが本研究の目的である。具体的には韓国における日本語教育、日本における韓国語教育の歴史や教育政策を整理したうえで、中等教育機関で教える複数の日本語教師、韓国語教師を対象にライフストーリー調査を行い、①日本語/韓国語観、②日本語学習/韓国語学習観、③子どもに対する日本語教育/韓国語教育観、④日韓交流へのまなざしを探り、現代、日韓の中等教育において隣国のことばと文化を教えることが持つ意味は何か、その意義と課題について明らかにしていく。 平成27年度にはこの研究目的と計画に基づき、日本の韓国語教師に対するライフストーリー調査(A・B・C・D教師)、韓国の日本語教師に対するライフストーリー調査(E・F・G・H・I教師)、フィールドワーク 日韓教師交流会の参与観察、フィールドワーク 韓国の高校生と日本の大学生間における交流活動の参与観察を行った。 こうした日韓の隣国語教育に携わる教師たちのライフストーリー、2つのフィールドワークで報告した事例から、共通のキーワードとして「交流」が浮かび上がったことから、次年度以降は日韓のことばの教育における「交流」の定義や目的、内容、成果についてフィールドワークを取り入れながらより詳細な調査が必要になってくることを確認した。教師の語り、そして授業や交流現場のフィールドワークを通して日韓の隣国語教育の意味と課題を明らかにしようという研究は従来にないものであり、その点に独自性と意義が認められると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた日韓の隣国語教育に携わっている教師たちのライフストーリーインタビュー調査は計画通り実施され、データの分析を行うことができた。さらに、日韓教師交流や日韓の学生交流の場の参与観察などのフィールド調査も実施することができ、ライフストーリー調査の結果を補うものとしてその報告を活用することができたと考える。こうした調査から次年度以降の研究の展開をより具体的に考えることができたことから、当初の計画以上に進展していると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究成果を論文にて発表することと並行して、28年度はライフストーリー調査を引き続き行うことと、日韓のことばの教育の現場のフィールドワークや教師交流、学習者交流の場のフィールドワークをさらに継続的に行っていく。 具体的には、28年度の前期に筆者自身による日韓交流授業の教育実践(高校生が対象)を行い、日本と韓国の生徒たちの学びのプロセスや学びの内容について授業記録などの資料をもとに分析していく計画である。28年度夏には、日韓教師の交流の場についてフィールドワークを行う。28年度後期には、日本語教育、韓国語教育の授業の参与観察を行う計画である。これらのフィールドワークの記録を分析し、今年度は「日韓のことばの学び」の現場から見える隣国語教育の意味と課題に迫りたい。
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Causes of Carryover |
研究計画通りに順調に使用していたが、端数が生じてしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文房具等の購入に使用させていただく計画である。
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Research Products
(2 results)