2016 Fiscal Year Research-status Report
日本と韓国の中等教育機関における隣国語教育の意味と課題に関する研究
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15K04370
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
澤邉 裕子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (40453352)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 韓国語教育 / ライフストーリー / フィールドワーク / 比較教育 / 中等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は日本と韓国の中等教育段階における隣国語教育の意味と課題を探ることであり、今年度は昨年度に行った教師に対するライフストーリー調査の結果を論文として公表、さらに日本と韓国の高校を訪問しての授業参与観察を行い、文化人類学的な手法を用いてのフィールドワークを実施した。特にここではフィールドワークの内容について報告する。平成28年度に実施したフィールドワークの内容は以下のようなものであった。 ①調査者自身による日韓交流学習の実施。日本で韓国語を学ぶ高校生と韓国で日本語を学ぶ高校生との間における交流学習を実践し、そこでの生徒たちの学びの様子を観察した。 ②日韓校長・教師交流会の参与観察。平成28年8月に韓国のソウルで開催された日本と韓国の高校の校長と教師に情報交換、交流の会に参加し、互いに隣国語教育や交流に対しどのような意識を持っているのかを調査した。 ③韓国の中等日本語教師、日本の中等韓国・朝鮮語教師の全国規模の研修会に参加し、研修に参加する教師への聞き取り調査の他、日韓交流に関する実態、意識を探る質問紙調査を実施した。 ④28年9月に韓国の高校の日本語クラスを、9月~29年1月にかけて日本の高校の韓国・朝鮮語クラスを定期的に訪問し、授業の参与観察を行った。生徒たちの学びの様子や教師の取組について観察した。 27年度に実施した教師に対するライフストーリー調査においては「交流」が隣国語教育のキーワードとして見出されたため、28年度は実際の教育現場において日韓交流がどのように取り入れられているか、そこでどのような学びが生み出されているか、課題は何かなどを教育現場でのフィールドワークを通して探っていった。調査を通し、第二外国語として位置づけられる不安定さ、それを乗り越える可能性としての交流活動、それを難しくする教育環境の問題が浮かび上がった。29年度は本研究の総合的考察を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な協力者(個人・団体)の協力を得ることができ、順調に調査が進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
教師に対するライフストーリー調査と教育現場や教師や学習者が集う現場のフィールドワークの結果を総合的に考察していく。特に、日本と韓国において隣国語を学ぶ意味について、アイデンティティ形成の観点から考察していきたいと考えている。前半期はこれまでの調査に関する補足的な調査を行い、後半期にはそれらの結果を総括し、報告書をまとめていきたい。
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