2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04375
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 茂樹 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (70251569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 奈緒子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (50277935)
加藤 美帆 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60432027)
居郷 至伸 帝京大学, 文学部, 講師 (70586396)
加藤 倫子 立教大学, 社会情報教育研究センター, 教育研究コーディネーター (40756649) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 少年院出院者 / 社会復帰 / 更生保護施設 / 保護観察 / 就労支援 / 就学支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
少年院出院者の社会復帰支援に関して、更生保護関係者や施設を対象とした質的調査を通して、その現状と課題が明らかになりつつある。まず保護司・保護観察官調査においては、平成27年度から実施していた東京都に加えて新たな調査地として山口県山口市を追加し、保護司に対して主に非行少年に対する保護観察の現状と課題等について聞き取り調査を行い、調査結果をまとめる作業に着手した。 更生保護施設調査においては、平成27年度から調査を実施してきた施設において、在所する女子少年に対する継続的な聞き取り調査をさらに行う一方、施設職員への聞き取りを含むこれまでの調査結果について学会報告を行うとともに、中間報告書を作成した。 就学支援調査においては、少年院出院者を中心とする非行(傾向のある)少年への対応や受け入れの実態と課題について、中学校及び高等学校で広く調査を実施するべく、情報収集を行うとともに、非行少年に対する学校教育(特に中等教育)の関係についての理論的検討にも着手した。 就労支援調査においては、平成27年度から行っている就労支援と協力雇用主制度に関する聞き取り調査、情報収集に基づいて、現状と課題について小括するとともに、若者への就労支援活動全般に関する理論的検討と課題を提示する学会報告を行った。 従来少年院出院者の社会復帰支援については、施設内処遇と社会内処遇が制度的に「分断」されていることを背景に、実践も研究も独自に行われる傾向があり、継続的にとらえるまなざしは相対的に希薄であったが、本研究はここに架橋し、よりスムーズで一貫した支援のあり方やそれを可能にする基盤についてさらに検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
少年院出院者の社会復帰を支援する保護司・保護観察官、更生保護施設、就労支援について、その現状と課題が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗がやや遅れている就学支援調査について、調査地、調査対象を定めるための情報収集及び理論的検討を継続し、現状と課題に関する調査に着手する。また、アメリカ合衆国における非行少年の社会復帰支援の現状についての調査を行い、日本との比較を試みる。 上記をふまえ、これまでの保護司・保護観察官調査、更生保護施設調査、就労支援調査から得られた知見を総合し、少年院出院者に対する支援の現状と課題についての全体像を描き、今後の課題と可能性についての包括的なまとめを行うべく、論文執筆、学会報告を行う。
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Causes of Carryover |
就学支援調査について、28年度までに実査を行わず29年度に延期したため、旅費、謝金として予定していた支出を執行していない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に就学支援調査の実査に着手するほか、アメリカ合衆国において非行少年の社会復帰支援の現状と課題についての調査を実施するため、旅費を支出する。
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Research Products
(4 results)