2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04376
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
高野 篤子 大正大学, 人間学部, 准教授 (30513048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下田 岳史 大正大学, 質保証推進室EM・IRセンター, 講師 (30734454)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大学経営人材 / スタッフ・ディベロップメント(SD) / イギリス / オーストラリア / 専門職 / リーダー育成 / 大学関連団体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、イギリスの大学で教学部門を支える専門職とその職能開発プログラムを中心に、アメリカ合衆国や日本におけるこれまでの状況と比較検討を行い、成果報告をとりまとめた。 自ら顧客を選ばない、公共の善に資する、専門的知識・スキルと長期かつ高度な教育・訓練を有するという専門職の条件は、イギリスにおいても重要視されつつあり、大学職員の包括的な団体(AUA)の他に、学生支援(AMMOSHE)や人事担当(CIPD)等の専門職団体がアメリカほどではなくとも日本より多く存在する。2000年以降にはイギリス政府主導で大学のリーダーを職階別に育成する研修プログラムを提供する高等教育リーダーシップ財団が誕生している。また高等教育を専門・専攻とする大学院の修士課程や博士課程も発展してきており、世界中から学生を集めている。これらの大学院における方法や内容にはアメリカの大学院との共通点が見出される。 イギリスと同様に21世紀になってから、日本でも職員の意識や専門性は向上し流動化も起きつつあるが、まだ専門職団体の数も少なく、大学院における職能開発や職員のキャリアの経路が充分に確立しているとはいえない。しかし、これからますます管理運営に携わる教職員の専門性の開発が求められるようになる。そのための教育内容や方法に関する学術的なデータを収集し整理していく必要があろう。 また今年度はオーストラリアでの現地調査を実施した。オーストラリアでも教育成果をあげるために職員の専門職化が進みつつあり、次年度にさらに検討し、本研究課題を総括したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに訪問し資料を収集したイギリス、アメリカ合衆国、マレーシアにおける文献・情報を分析し、イギリスに関しては書籍を出版した。また国内における大学の関連団体の動向に関して収集した資料を整理しまとめた. さらに、今年度はオーストラリアにおける現地調査を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究課題に沿った国内外の文献資料を収集し,諸外国の大学における教学部門を支える専門的な組織の在り方と,専門職の仕事内容,能力開発の内容・方法等について比較検討を行う.これらによって得られた知見を公表し,さらに発展させるために,所属学会での口頭発表を行い,報告書にまとめる. 国外調査のみならず、研究代表者が都内に立地する大学にて専門職を養成する教育・学校経営マネジメントコースの専任教員である強みを活かし,国内の大学職員養成に関わる関係者との研究会を実施する.各国の教学部門の専門的組織および専門職における相違点・共通点の分析を試みるとともに,専門職の養成プログラムの特徴を析出する.
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Causes of Carryover |
もともと本務の傍ら両親の介護に追われていたが、父の介護、入院、逝去にともない研究活動に専念する時間が大幅に制限された。 また所属学会より出版助成の補助金(20万円)を得ることができたため、その分を次年度に繰り越し、さらに探求を深めることとした。具体的にはイギリス連邦圏の国・地域を訪問し、情報・データを入手し、これまでの総括を行うことに使用する計画である。
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Research Products
(5 results)