2016 Fiscal Year Research-status Report
教員養成における就職支援の教育効果に関する実証的研究
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15K04387
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Research Institution | Ueda Women's Junior College |
Principal Investigator |
酒井 真由子 上田女子短期大学, その他部局等, 講師 (30591193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 康詞 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80242105)
河野 誠哉 山梨学院大学, 経営情報学部, 教授 (00583650)
山口 美和 長野県短期大学, その他部局等, 准教授 (80465856)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教員就職支援 / 教員養成 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年実施された「ミッションの再定義」に象徴されるように、昨今の高等教育政策が大きく転換する中、これまで国立大学がその中心的役割を担ってきた教員養成のシステムもまた、その内実において大きな変革の時を迎えつつあるように思われる。本研究は、そうした変革の局面を迎えた国立大学における教員就職支援の現状について、実証的に検証するものである。 そこで、平成28年度は、平成27年度に引き続き、3つの国立大学教員養成学部と1つの私立大学教育学部の就職支援担当者と教員採用試験を受けた4年生へのインタビュー調査を行った。また、実際の模擬面接指導の場面やガイダンスなど、学生指導の場面に立ち会った。また、インタビュー調査をもとに質問紙を作成し、全国の国立大学教員養成学部を対象とした質問紙形式の機関調査を実施した。 平成27年から28年にかけて実施した就職支援担当者へのインタビュー調査では、どの大学でも公立学校教員採用試験対策を念頭においた支援体制が整備されており、熱心な取り組みが展開されていることが確認できた。かつては教員就職に向けた活動は、個々の学生の個人的な責任の領域ととらえられていたが、近年では大学教育の守備範囲として意識されていることが見て取れた。また学生の側も、大学の就職支援室等が実施する支援プログラムへの参加は任意であるにもかかわらず、教職志望者のほとんどがこうした支援プログラムに参加しているということであり、どの大学の支援担当者もこうした取り組みは就職率向上に貢献しているとの認識をもっていた。こうした動向から、教員就職支援プログラムが「準カリキュラム化」していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目にあたる平成28年度は、3つの国立大学教員養成学部と1つの私立大学教育学部の就職支援担当者等と教員採用試験を受けた4年生へのインタビュー調査を行い、インタビュー調査を実施した大学の教員就職支援の状況についての基礎的知見をまとめた。さらに、インタビュー調査をふまえた次のステップとして、質問紙形式による全国の国立大学教員養成学部を対象とした実態調査(機関調査)を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
国立大学における教員就職支援の現状について、客観的な状況把握を試みるため、全国の国立大学教員養成学部を対象とした実態調査(機関調査)と、学生を対象とした意識調査(学生調査)という2つの方向から教員就職というテーマにアプローチしていく計画である。機関調査についてはすでに実施しており、33大学から回答を得ている。今後は機関調査によって得たデータの分析、検討を進め、学会等で発表する予定である。 学生調査については、教員就職を目指す学生だけでなく、一般就職を目指す学生へも質問紙調査を実施することにした。学生調査は、4年生の教員採用試験が終わってからの後期に実施する予定である。
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Causes of Carryover |
質問紙形式による、機関調査及び学生調査の分析で統計ソフトを購入する予定であったが、平成28年度に実施した機関調査については、対象校が少ないため、エクセルで対応したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に実施予定の学生調査では、データ入力を外部業者に依頼する予定であり、また分析のための統計ソフトを購入する予定である。機関調査を分析するなかで必要に応じて大学ヒアリング・視察調査、学生インタビューを実施する(旅費)。
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Research Products
(2 results)