2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Modern Tendency on The Drawing of The Person in School Children
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15K04394
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
花輪 大輔 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70633155)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小学生の描画傾向 / 小学生の人物描画 / 描画の段階 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,研究協力校(島根県,兵庫県,北海道)の公立小学校の児童593名を対象として,これまでの4種類の描画調査(調査Ⅰ立っている人,調査Ⅱボールを拾っている人,調査Ⅲ体育の座り方で座っている人,調査Ⅳ走っている人)の実施に加え,新たに「描画に関するアンケート調査」を実施した。アンケート項目はこれまでの研究の経緯を踏まえ,「表わそうとしたこと」,「工夫したこと」の自由記述の他,思った通りに描くことができたか(作品への自己評価)を7件法で問うものとした。 描画調査結果は予備調査と同様,先行研究との比較では人物描画の段階は後ろにずれ込んでおり,30年前の自暴の描画とでは総じて低調であるということができる。特に調査Ⅰにおいては手や脚部が記号化された表現が,調査Ⅱにおいてはボールを持ったまま立っているだけの表現が多数見られた。調査Ⅲでは膝を抱えていると判別できない表現が,調査Ⅳでは腕や脚部が真っ直ぐのままの表現が多数見られた。 また,アンケート調査の自己評価においては,学年の進行に伴って数値が下降する傾向とともに,1年生から5年生までは概ねノーマルカーブの分布であるのに対し,6年生では二極化する傾向が見られた。 その一方で,「表わそうとしたこと」,「工夫したこと」の記述件数が学年の進行に伴って増加する傾向(1年生17.3%,2年生22.5%,3年生28.3%,4年生31.2%,5年生38.4%,6年生48.5%,調査Ⅰ抜粋)が見られ,1年生を除く全ての学年で記述件数と自己評価の数値に正の相関(6年生:r=0.514)を確認することができた。 以上のことから,人物を大人のように描くことができるかどうかではなく,子ども自身の表現の叙述生や表現意図,表現の工夫を第一義的に捉えた指導が,児童の人物描画の自己評価を高めるのだと考えるに至った。
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Research Products
(3 results)