2015 Fiscal Year Research-status Report
国際理解の視点に立った東アジア交流史教材の実践と普及に関する研究
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15K04400
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高 吉嬉 山形大学, 教育文化学部, 教授 (20344781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國分 麻里 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (10566003)
金 ヒョン辰 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10591860)
梅野 正信 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (50203584)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会科教育 / 教材開発 / 東アジア / 国際理解 / 交流史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,2012年から3年間にわたって,日中韓の6名のメンバーが集まって共同で教材開発を行い,それを『国際理解の視点に立った東アジア交流史の社会科教材開発』(科学研究費補助金基盤研究(C):24531177)としてまとめた研究成果を踏まえて,さらにその教材開発を進めて内容を深めるとともに,それら教材の実践および普及を行なうことを目的としている。2015年度は,計画された研究課題をおおむね順調に進めてきた(11.現在までの進捗状況,参照)。また,東アジアに対する理解を増進するために,教材内容や授業の様子をHP(http://www.juen.ac.jp/kaken/24531177/index.html)に掲載し,現在900人以上のヒット数をあげるなど,教材の普及にも成果をあげてきた。
特に,研究協力者である蔡秋英が「箸食から考える日中韓食文化」のさらなる教材開発を進め,その有効性を確かめるための実践(広島県立戸手高校,2016年3月14日)を行い,研究メンバー全員で授業参観をし,教材内容や実践のさらなる発展に向けての検討を行った。またその成果を,すでに運用しているHP上で,教材や授業実践の様子を公開し,その普及を図った。
2016年度は,これらの成果を踏まえて,①日本と韓国・中国の社会科教育の関係者や高校教員と積極的に連絡を取りながら,日本と韓国・中国の学校で開発した教材の内容や方法に関して実践での有効性を検討し,②東アジアに対する理解を増進するために,教材内容や授業の様子をHPに掲載し,開発した教材の普及を行なう計画である(12.今後の研究の推進方策等,参照)。こうした作業を通じて,東アジアの隣国理解を深め,国際理解を増進することが可能となり,東アジアに生きる生徒の認識変容を促すことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は,具体的には以下のような研究活動を通して,本年度の研究課題はおおむね順調に進めてきた。
1.第一回目研究会(2015.8.13~14:東京):研究を実施するに当たって,2012年度から行なわれてきた「国際理解の視点に立った東アジア交流史の社会科教材開発」(課題番号:24531177)の研究体制を中心に,学校現場での授業実践を行うため,日本と韓国の社会科教員を研究協力者として入れ,研究体制を再構築した。 2.研究授業及び第二回目研究会(2016.3.13~14:広島県福山市):①「箸食から考える日中韓の食文化」という主題で,広島県立戸手高等学校の蔡秋英(研究協力者)と立田教諭が研究授業を行った。二つの授業見学後に授業反省会を持ち,開発した教材の有効性を検討した。②研究会では,これから教材開発・改善,授業観察・実践,普及活動のため,開発した教材については随時,高校において授業実践を行ない,教材の有効性を検討しながら,さらに改良を加える。また今まで開発した教材に加えて,東アジアの交流史の教材をさらに開発することを確認した。 3.HP活用:改良した東アジア交流史教材の普及を行なうために,HP上で教材や研究授業などを公表し,普及に努めた(http://www.juen.ac.jp/kaken/24531177/index.html,参照)。 4.研究に参加しているメンバーがそれぞれ論文投稿及び学会発表などを通して,各自の研究成果を発信してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度以降は,2015年度の計画に修正を加えつつ,以下の日程で進める計画である。 1.授業実践・検討会(韓国・釜山:2016年9月5日):釜山大学師範大学附属高校の白水晶先生の協力を得て,研究分担者・金ヒョン辰(北海道教育大学)が「北海道から見る東アジア交流-昆布を通して-」というテーマで研究授業を行い,開発する教材の内容や方法および実践での有効性を検討する。研究授業や検討会においては,研究代表者の高と他の地域との比較を行なうために研究分担者の國分・梅野が参加する。 2.授業実践・検討会(千葉県・館山:2016年9月16日):千葉県立安房高校の坂田彩実教諭が研究分担者・國分麻里(筑波大学)の協力を得て選択世界史の授業を行い,開発する教材の内容や方法および実践での有効性を検討する。研究授業や検討会においては,研究代表者の高と他の地域との比較を行なうために研究分担者の梅野・金が参加する。 3.教材開発・普及(2016年6月~2017年3月):人やモノの交流に焦点を絞り,東アジア交流史の教材作成をさらに行なう。 4.研究に参加しているメンバーがそれぞれ論文投稿及び学会発表などを通して,各自の研究成果を発信していく。
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