2015 Fiscal Year Research-status Report
コミュニケーションツールとなる作陶を活用した教育プログラムの構築
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15K04404
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 敏寿 筑波大学, 芸術系, 准教授 (70361326)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コミュニケーションツール / 作陶 / ワークショップ / 教育プログラム / 地域貢献 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度研究の成果として、コミュニケーションツールとなる作陶方法の構築と実践的教育プロジェクトを試行した。 1つ目の教育プロジェクト:筑波大学医学系の研究者と筑波大学芸術系学生と作陶ワークショップを企画運営し実施した。医学医療系研究を行う研究棟(平成27年に完成したIIIS国際統合睡眠医科学機構新研究棟)に設置する陶によるアート作品を制作工程から教育プログラムとして活用した事例である。アート作品の一部を制作する作陶ワークショップは、新研究棟を使用する医学医療系の研究者が参加し、粘土をこね、かたちをつくり、焼成する作陶工程を経験することで、作品に愛着と理解が深まり、芸術系を学ぶ学生に、ワークショップの運営に参加させることで本研究目的である、コミュニケーションツールとなる作陶方法の構築と教育プログラムを実践的に検証することができた。2つ目のプログラムは、東日本大震災の影響で、つくば市に避難している方とつくば市民とを繋ぐ作陶ワークショップの企画運営である。『結の器プロジェクト2015』とは震災から5年が経過した現在も福島第一原発の事故により、避難を余儀なくされている方々とつくば市住民とを緩やかにつなげるための作陶ワークショップを学生が主体となり企画運営することで教育プログラムとして構築した。事例調査研修として、愛媛県松山市、砥部町、内子町にて地域資源の活用調査と砥部焼作陶方法の研究及びワークショップの事例調査を行った。研究の概要と成果を効果的に公表するために、齋藤敏寿研究室のホームページを開設し、教育研究プロジェクトの実施報告を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた教育プログラムに加え、医学医療系研究者と芸術系で学ぶ学生による作陶ワークショップの開催は、次年度以降の研究に有効であった。「結の器プロジェクト2015」を企画運営し、28年度以降も継続的で汎用性を持った教育プログラムとする方向性が確立できた。 研究成果を公表するための齋藤敏寿研究室ホームページを作成することができた。28年度以降の研究成果、プログラム内容を効果的に公開する土台が構築された。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度の研究を検証し、28年度以降に計画している3つの教育プログラムを推進する。 1、高校生と大学生によるコミュニケーションツールとして作陶を活用した教育プログラムの構築 2、幼稚園生と大学生によるコミュニケーションツールとして作陶を活用した教育プログラムの構築 3、地域市民と大学生による作陶を活用したワークショップの企画運営 1~3の教育プログラムを確実に実施し、実践研究を通じて、コミュニケーションツールとして作陶を活用した教育プログラムの運営方法とプログラムの教育的効果を検証する。小型の実験窯を導入し、作陶方法の実験を推進する。1、の高校生との高大連携企画は、茨城県立笠間高校と連携実施し、成果物を笠間市主催のイベントなどに出品し成果評価を検証する。また教育プログラムの有効性を研究するためアートセラピー講座などの心理学的側面からの研究を導入し、本研究の客観的な評価方法の確立を視野に研究を推進する。
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Causes of Carryover |
当初予定していたよりも旅費が安価であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を客観的に評価する方法の検討として、アートセラピー講座の受講や、教育プログラムの実施運営補助費用として有効に活用する。
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Remarks |
齋藤敏寿研究室のホームページ、教育・研究成果の項目に本研究の成果を掲載している。
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[Book] 多領域と芸術による創造的復興に向けた人材養成プログラムの構築-希望に満ちた日本にするために- 2015年度活動報告書2016
Author(s)
中村伸夫,藤田志郎,五十殿利治,逢坂卓郎,齋藤敏寿,窪田研二,菅野智明,宮原克人,原忠信,山本早里,雨宮護,上浦佑太,村上史明,高崎葉子,山本幸子,吉野修,馬籠清子
Total Pages
130(28-33)
Publisher
筑波大学芸術系
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