2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on visual arts education in International Baccalaureate(IB)focusing on Middle Years Program(MYP)
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15K04413
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小池 研二 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (90528382)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際バカロレア / 中等教育プログラム(MYP) / 美術教育 / 概念理解 / 探究的な学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際バカロレア(International Baccalaureate=IB)の美術教育について、中等教育プログラム(Middle Years Programme=MYP)を中心に調査研究を続行した。 ①日本の美術教育にMYPの考え方を応用する実践研究を行った。研究のねらいはMYPの探究的な学習を取り入れ概念的な理解を生徒に促し、生徒が美術を実感的に学ぶことである。本年度は事実的、概念的、議論的な3つの探究の問いを設定し、授業を行ったところ、選択式では、全学年で概念的、議論的問いについて約80%の生徒が考えたと回答し、さらに自由記述でも、議論的問いについて1年生が55%、2年生が79%、3年生が72%が問いについて有効に回答していると判断できた。この結果、美術教育でも概念的な学習は方法をとりさえすれば可能であることがわかった。 ②IBの学習者及び授業者がどのように考えているか、IB学習者及び、教員にインタビューによる質的調査を行った。その結果、生徒はIBの学習を決して楽ではないが、探究的に深い学びができ、学習本来の面白みが体験できること、調査研究を行う学修が将来に有効であること、日本語が大幅に認められたとはいえ、英語力が大きなネックになっていること等を感じていること、教師については、IBと学習指導要領とは差異こそあれ、新学習指導要領がIBに近づいていると感じること、ルーブリックの評価方法に理解を示しつつも、ルーブリックの設定が難しいこと等を挙げていることがわかった。 ③IB認定校の調査としてジャカルタの学校を訪問し最新事情を調査した。その結果、DP、MYPの導入や評価方法について日本の学校と同様の諸問題があること等を確認し今後も研究で協力し合うことを確認した。 以上の結果を論文及口頭発表で発表した。また、本研究3年間の研究成果をまとめ、研究報告書を作成し社会に還元した。
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