2015 Fiscal Year Research-status Report
社会科における副読本のメディア構成と活用法に関する研究
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15K04421
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松本 康 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (60229581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 正典 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (80705038)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会科 / 副読本 |
Outline of Annual Research Achievements |
<目的(平成27年度)> 現在使用されている小・中学校社会科の副読本を長野県を中心として収集し,副読本の形態の全体像を把握すること。 <方法>副読本を冊子の形でまとめられた教材集と定義し、紙媒体のものを収集した。①対象:長野県内において使用されている小学校社会科・中学校社会科の副読本を郵送または直接訪問によって収集した。②収集状況:計25冊収集。自治体作成は市レベルまで。町村レベルは2例。 <結果>(1)副読本の形態別分類:①著者(編集者)別分類では「ア.研究会」「イ.教育団体(教育会)」「ウ.編集委員会」「エ.教育委員会」の4タイプ、②発行者別分類では「ア.出版社」「イ.研究会(同好会)」「ウ.教育団体(教育会)」「エ.教育委員会(市町村)」の4タイプがある。③学年別分類では「ア.小学校・3~4年」「イ.小学校・5~6年」「ウ.中学校」「ア+イ.小学校3~6年」「ア+イ+ウ.小・中学校」の5タイプ。④教科・領域別分類では「ア.社会科型」「イ.総合的学習型 (社会科含む)」「ウ.社会科・他教科融合型」「ア+イ+ウ」の4タイプ。副読本の記述から想定される⑤学習形態別分類では「ア.資料集型」「イ.読み物(トピック)教材型」「ウ.教科書型」「エ.学習帳(ワークシート)型」「ア,ウ.混合型」「ア,エ.混合型」の6タイプがある。⑦視覚的分類では「ア.文字資料中心型」「イ.バランス型」「ウ.ビジュアル型」の3タイプがある。(2)目次・項目による内容分析では、①学習指導要領に準拠するものが多い、②地域独自の教材が多く含まれるがそうでないものもある。③現在の学習指導要領にない視点のものも含まれる。 <まとめ>社会科の副読本には多様な形のものが存在することが確認できた。内容は学習指導要領に準拠する構成が多いが,独自の地域教材や,現在の学習指導要領にはない視点を含むものもあり,一定の幅が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
副読本収集作業の遅れを除いて、計画通り進行中である。 <副読本収集作業と分析>計画では「長野県・香川県・東京都において,県,郡,市町村単位で現在使用されている小中学校社会科の副読本をタイプ別に収集」というものであったが、現在長野県の郡市レベルの収集を完了している。町村レベルの実情把握と収集作業がまだ未完結である。また、香川県と東京都については、都市部-郊外等のタイプの多様性を確保するために収集する目的であったが、まだ収集作業は完結していない。長野県の収集において副読本の基本的な類型は得られたので、この類型を見直す可能性のある他県の副読本があれば収集する方針である。 <内容分析作業>目次・内容項目に基づく内容分析は、全体的な内容の分布について一定の把握ができた。また、「防災」という視点に基づいて、各副読本の記述内容の特徴の分析を行っている。 <インタビュー>収集作業と並行して、関係者に対する副読本の活用状況についての初期的なインタビューを行っている。この聞き取りを元に、28年度の質問紙調査の項目を作成する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度については内容分析と質問紙調査を中心に、計画通りに進行させる予定である。 <内容分析作業>研究協力者(院生)を加えて、引き続き内容分析作業を行う。 <質問紙調査>副読本の活用状況と活用法についての質問紙調査(郵送法)を平成28年度中に行う予定である。
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Causes of Carryover |
県外の副読本収集作業が予定より遅れたため、当初計画で見込んだよりも旅費が少なく済んだため、次年度使用額として残ったもの。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度請求額と合わせて、本年度の収集作業の中で旅費として使用する予定である。
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