2017 Fiscal Year Research-status Report
パフォーマンス評価により他者との関係構築思考を指導評価する社会科ワークシート開発
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15K04449
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
豊嶌 啓司 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (90380378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 泰司 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60452702)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 市民的資質評価 / パフォーマンス課題 / 真正の学力 / 学習のための評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,析出したパフォーマンス評価による社会に開かれた市民的資質を指導・評価する基盤の枠組みをもとに,研究協力者教員がワークシート事例を開発し,授業実践を通して,その妥当性・信頼性を検証した。成果は以下の4点である。(1)パフォーマンス課題が内包する「教室のファンタジー問題」を,PBLのBIE型パフォーマンス課題の理論から指摘,(2)社会科パフォーマンス課題は「学習機能要件」に偏重しており,レリバンスである「市民的挑戦要件」が欠如,(3)市民的資質要件を「波及効果・影響力(Effects)」と「責任(Responsibility)」から明示,(4)①真に真正の課題,②真正な手続き,③学び手との真正な近さ,3点から授業計画・実践を検証した。これら,本年度研究成果は,社会科及び評価関連学会にて以下を発表した。 「カリキュラム・マネジメントによるコンピテンス育成の長期的検証」豊嶌啓司・柴田康弘・三浦研一,日本教育方法学会第53回大会(千葉大学),2017年10月,自由研究発表。 「社会科パフォーマンス課題における真正性の問題と克服」豊嶌啓司・柴田康弘・木下祥一,全国社会科教育学会,第66回全国研究大会 (広島大学),2017年10月,自由研究発表。 「汎用的な資質・能力を育成するカリキュラム・マネジメントのための予備的研究」豊嶌啓司・坂井清隆・柴田康弘・三浦研一・木下祥一・福崎泰規,教育目標・評価学会第28回研究大会(金沢大学),2017年11月,自由研究発表。 「コンピテンシー・ベイス・カリキュラムとその評価に関する研究」小田泰司,初等教育カリキュラム学会,第2回大会(広島大学),2018年1月,自由研究発表。 「社会科における市民的挑戦としての真正な学び」柴田康弘,福岡社会科教育実践学会,第9回研究大会(福岡教育大学附属福岡小学校),2018年2月,シンポジウム発表,他。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「社会科の方法原理」及び「他者との関係構築的な思考形成」を関連付け,パフォーマンス評価による社会に開かれた真正な学びとしての市民的資質を指導・評価するワークシート枠組みのワークシートに沿った授業実践を検証し,得られた成果を学会等で発表することができた。特に,真正な学びの観点から,パフォーマンス課題の真正性について分類と段階を明らかにし,それらに対応するための市民的資質挑戦要件を組み込んだワークシートを授業実践を通して効果検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「社会科の方法原理」及び「他者との関係構築的な思考形成」を関連付け,パフォーマンス評価による社会に開かれた真正な学びとしての市民的資質を指導・評価するワークシート枠組みをもとに,関係を持つ小中学校教員の協力を得てワークシート事例を多数開発し,可能な範囲で授業実践を通して得られたデータをもとに,通過率,正答・誤答例等の分析から,開発したワークシート事例の妥当性及び信頼性を検証して広く提案する。
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Causes of Carryover |
連携研究者及び附属学校の研究協力者が他業務により,学会での成果発表に参加できなかったため,及び附属学校の研究協力者まで拡大した研究委員会の開催が十分ではなかったため,旅費,物品費,謝金等の未使用額が生じた。 連携研究者及び附属学校の研究協力者と共同による学会での成果発表に当てる。加えて,附属学校の研究協力者まで拡大した研究委員会の開催の充実を図る。
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