2016 Fiscal Year Research-status Report
欧米調査に基づく技術科教育の授業の設計・実践・評価に関する研究
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15K04450
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
角 和博 佐賀大学, 教育学部, 教授 (80145177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 章 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20127822)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 技術科教育 / カリキュラム / 学習過程 / 学習支援 / 海外調査 / 授業設計 / 授業方法 / 授業実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者と研究分担者は,前年度に引き続き米国を中心とした欧米の技術科教育の実態調査を踏まえて,授業の設計・実践・評価を具体化するためのカリキュラムの開発を行い,学術論文としても発表した。2016年8月28日に日本産業技術教育学会第59回全国大会(京都教育大学)で,「米国の技術科教育の設計・実践・評価に関する研究」で口頭発表した。2016 年 10 月1日に日本産業技術教育学会第 29 回九州支部大会(長崎大学)で「技術科教育の方法と内容のシステム化に関する研究」で口頭発表した。 2016年12月1日のオーストラリアでの国際会議(TERC)でデザイン思考を導入した技術教育のあり方を提言した。プログラミングによる制御学習の実践授業を通して教育内容と方法の両面における学習支援のシステム化を提案した。 今年度の海外調査では,オーストラリアでの国際技術教育学会に参加し,講演会での質問や口頭発表での質疑応答を通して技術教育の新しい視点について議論した。国内調査では, 日本産業技術教育学会に参加し,また学会誌に掲載されている技術科教育の内容と方法に関する論文および学会の研究委員会が作成した技術科教育の理念,内容および方法を調査・整理した。授業設計に際しては,技術分野の学習目標を題材に着目するのではなく,すべての制作・製作学習に共通する4 段階で捉え,上記の構想→設計→製作→評価の大きな流れの中に,生徒一人ひとりの個別の学習過程としての計画→活動→達成のスパイラルを設定し,これらをシステム的・デザイン的思考の観点から再検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の海外調査では,オーストラリアでの国際技術教育学会に参加し,講演会での質問や口頭発表での質疑応答を通して技術教育の新しい視点について議論した。国内調査では, 日本産業技術教育学会に参加し,また学会誌に掲載されている技術科教育の内容と方法に関する論文および学会の研究委員会が作成した技術科教育の理念,内容および方法を調査・整理した。授業設計に際しては,技術分野の学習目標を題材に着目するのではなく,すべての制作・製作学習に共通する4 段階で捉え,上記の構想→設計→製作→評価の大きな流れの中に,生徒一人ひとりの個別の学習過程としての計画→活動→達成のスパイラルを設定し,これらをシステム的・デザイン的思考の観点から再検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は本研究の最終年度であり,理論と実践を結びつける研究を行う。海外調査では,平成28年度の調査内容を整理・分析するとともに,新しい知見を得るために欧米での海外調査をさらに行うとともにニュージーランドでの国際技術教育学会で口頭発表する。 国内調査では,平成28年度の調査の整理と分析をもとに日本産業技術教育学会の全国大会,支部大会,および各分科会で技術科教育の内容と方法について議論する。 実践授業では,昨年度に引き続き技術科教育におけるシステム的・デザイン的思考の導入を図る。特に構想・創造の視点,対象物の構成,対象物の加工,対象物の複合化,評価の視点等を学習活動に関連させて考察し,生徒の将来の成長をも考慮した時間経緯の視点も伴った学習活動ならびに教材化について,特に情報の技術の内容で授業実践を行う。
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Causes of Carryover |
前年度は,オーストラリアでの国際会議が12月1日にあり,11月に開催されたミシシッピバレー技術教師教育会議に参加しなかったため,このための旅費が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は,3年間の科研の最後の年であり,ミシシッピバレー技術教師教育会議に参加し,議論を深めるとともに,可能であれば発表もしようと計画している。このため昨年度使わずに残した旅費を充当したいと考えている。
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