2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study for promoting global competencies and teacher training with special focus on Social Studies education in the United States
Project/Area Number |
15K04463
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森田 真樹 立命館大学, 教職研究科, 教授 (60340486)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グローバル教育 / 社会科教育 / アメリカの教育 / 教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成29年度に終了する予定であったが、研究の進捗を勘案して、1年間の延長申請を行い、平成30年度も継続して実施することとなった。そのため、平成30年度は、過去3年間の研究の総括や追加的資料収集などを主に取り組んできた。 研究の目的が、米国の社会科教育や関連教育を事例としながら、グローバルな資質能力を育成するカリキュラムや指導者養成のあり方を検討し、最終的には、日本の教育への援用のあり方を模索することにしていたため、とくに本年度は、日本の教育への応用可能性という点に重きを置きながら検討をすすめてきた。 国内では、学習指導要領の改訂期、教員養成・現職研修のしくみが大きく変更されようとしている時期であるため、新制度への移行状況を精査してきたが、従来からのグローバル人材論やESD、SDGsなどを含めグローバル時代への対応がさらに求められている一方で、その内容が教員養成・現職研修の政策に反映していないことも明らかとなった。また、全国の自治体で作成された、いわゆる「教員育成指標」においても、外国籍児童への対応など部分的な記載はされていることが多いことも明らかとなった。 米国の事例として調査した範囲ではあるが、たとえば、大きな貧困地域を抱えている州では、貧困層の子どもへのケアよりも先に、貧困を生み出す原因を理解し、その原因を少しでも除去するという意欲を持っていることが、まず第一に教員志望者に求められている。こういった点を参考にしながら、グローバルな資質能力を育成する授業実践を行う教師には、直接的にグローバルな問題の構造を理解しているだけではなくて、その問題解決に向けて、教師自身がどのように努力をしているのかという視点も重要となり、これらの視点も加味しながら、教員養成や現職教員を行うことが重要であることも明らかになった。研究の成果は、論文として投稿できるように準備を進めている。
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