2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the construction of digital archives and teaching materials of "prefectural and municipal songs."
Project/Area Number |
15K04478
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐川 馨 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (40400519)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 県民歌 / 市町村民歌 / 音楽教育 / デジタルアーカイブ / 地域素材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、市町村合併等で失われつつある<市町村民歌>や<県民歌>の楽譜及び関連資料をデジタルデータ化して保存・蓄積し、三つの実践を通して地域の音楽文化遺産の継承と、地域の音楽素材を活用した社会教育及び学校教育の充実に資することを目指した。 実践の第1は、「市町村民歌、県民歌の楽譜及び関連資料のデジタルデータ化による≪県民歌、市町村民歌デジタルアーカイブ≫の開設と運営」である。第2は、「上記実践第1の成果を活用した教材開発(音源制作、解説資料作成)と社会教育や学校教育への教材及び資料の提供」である。第3は、「開発した教材を活用した教員志望学生によるアウトリーチ・プログラムの開発と実践」である。 2018年度は研究の最終年度としてデジタルアーカイブの充実に取り組んだ。楽譜データは自治体によって公表されている県民歌、市町民歌を中心に収集した上でデジタルデータ化したが、公開にあたっては著作権等の関連の法令の遵守が必要である。その確認作業が終わり次第、9月を目途に公開の準備を進めている。また研究の過程で収集した資料はデジタルデータ化した上でライブラリにしてホームページで公開するとともに、今後の自身の研究に活用していく。 教材開発の例としては山形県民歌「最上川」の制定過程についての解説資料が挙げられる。それに基づいて開発した教材は大学院の授業で用い、音楽科教育における地域素材の教材化とその活用についての一定の知見が得られた。解説資料は教員志望の学生による音楽アウトリーチで活用していく計画である。 この研究で得られた成果は≪県民歌・市町村民歌デジタルアーカイブ≫として可能な限りウェッブ上に公開していくとともに、必要に応じてレファレンス・サービスを行うなどして研究資料の有効な活用を図っていく。また、開発した教材については各自治体の図書館及び社会教育施設、希望する学校に配布できるようにしていきたい。
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