2016 Fiscal Year Research-status Report
「学びの共同体」における体育授業のデザイン開発と学びのネットワークの構築
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15K04494
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡野 昇 三重大学, 教育学部, 教授 (20314106)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小学校体育 / 体育授業 / 授業デザイン / 教材開発 / 協同学習 / 学びの共同体 / 学びのネットワーク / 教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小学校体育に焦点を当て、質の高い体育の学びのデザイン開発することを目的とすると同時に、応募者らの研究機関をハブ機能とした教師の学びの支援ネットワークを構築することを目指している。目的遂行のために設定した研究課題は、以下の3つである。 【課題1】では、3つの実践フィールド連携研究プロジェクトを立ち上げ、個人種目領域(器械運動系、陸上運動系、水泳系)を対象とした授業デザインの開発と実践と省察を行う。【課題2】では、3つの実践フィールド連携研究プロジェクトを立ち上げ、集団種目領域(ボール運動系)、表現運動・体つくり運動領域を対象とした授業デザインの開発と実践と省察を行う。そして【課題3】では、課題1と2を踏まえながら、「学びの共同体における体育授業デザイン集」を作成し、全国の教員の体育教材研究を支援するためのホームページを立ち上げると同時に、研修教員を受け入れるための学びのネットワークを構築する。 2年次研究にあたる本年度は、3つの研究課題をすべて達成した。【課題3】にある「学びの共同体における体育授業デザイン集」は、小学校低・中・高学年のそれぞれの「学びのこよみ」として作成した。この「学びのこよみ」とは、四月始まりの月別卓上カレンダーで、学習指導要領の領域構成と内容に基づいた単元デザインを12カ月分、配列したものである。表面には、タイトルとして「共有課題」を示し、授業で見取りたい学びの視点をイラストで描いた。裏面には、タイトルとして「運動学習の転換のポイント(AからBへ)」を示し、「行い方」「場づくり」「ジャンプ課題」「わざ(身体技法)」の観点から解説を掲載した。また、「学びのこよみ」に基づいた実技研修を年度末に開催したところ、8府県91名の参加者があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目的を遂行するために設定した3つの研究課題をすべて達成した。昨年度立ち上げた3つ の「実践フィールド連携研究プロジェクト(学びの共同体パイロット・スクール、三重大学教育学部附属小学校体育部会、四日市学びの会)」と、今年度も引き続き連携しながら、小学校低・中・高学年のそれぞれの「学びのこよみ」を作成した。また、「学びのこよみ」の作成プロセスを共有する場として、「学びの会~『学びの共同体』における体育授業デザイン」を本年度は5回開催し、のべ146名の参加者があった。さらに、昨年度立ち上げたホームページ(岡野昇研究室 三重大学教育学部、https://okanolab.jimdo.com/)に随時、教員の授業デザイン支援のためのネット配信を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度作成した「学びのこよみ」を活用しながら、以下の取り組みを行う。 ・「実践フィールド連携プロジェクト」における「学びのこよみ」の導入と活用法の調査 ・「全国学びの共同体研究会」、「学びの会」、「教育委員会・研究団体等」における「学びのこよみ」を活用した研修会の開催 ・「ホームページ」を通じた「学びのこよみ」の活用事例等の配信
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Causes of Carryover |
本年度末に作成した「体育授業デザイン集(学びのこよみ)」の印刷費を確保するため、予定していたデジタルビデオカメラとデータ通信機器の予算執行を控えていたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度、予算執行を控えていたデジタルビデオカメラ、データ通信機器等と、成果発表のための国内旅費、タブレット、報告集印刷等を計画している。
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