2016 Fiscal Year Research-status Report
教科学習と連携を図った食育の実践と評価-合科的・関連的な指導モデルの提示-
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15K04497
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
岸田 恵津 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70214773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南埜 猛 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (20273815)
吉川 芳則 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70432581)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食育 / 国語科 / 社会科 / 合科的な指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,教科学習を活かし,教科との連携を図った食育を実践,評価,検証し,食育実践の合科的・関連的な指導モデルを提示することである。具体的には,国語科と社会科を取り上げ,28年度は国語科と関連を図った食育を実践,評価した。 1. 国語科と連携を図った食育実践 小学校3年生を対象に合科的な指導の有無による食育実践を行った。合科的な指導として,A校では,国語科「すがたをかえる大豆」の学習と同じ時期に総合的な学習の時間で豆腐作りを取り入れた食育実践を行った。一方,B校では国語科の学習と食育実践の時期を半年あけ,合科的な指導を行わなかった学校とした。評価については,食育実践後の児童へのアンケートやワークシートの記述内容を分析した。その結果,合科的な指導の有無にかかわらず,児童は,豆腐作りを楽しい活動として捉えていた。しかし,「昔の人の知恵や工夫」に対する回答は,両校間で有意差があり,A校で理解が高く,国語科との学習の関わりが示唆された。また,振り返りワークシートでは,「気づき」の内容で両校間に違いが見られ,合科的指導を図った学校で,昔の人の知恵や工夫,大豆の変身に関する記述が充実していた。教員による評価では,両校ともに「食べ物の大切さに気づくことができた」などの食育の効果に加え,「大豆が豆腐になる過程を見ることにより,教科書の内容を読み取ることができた」などがあげられており,食育活動が国語科の学習を補完していることが示唆された。以上より,合科的な指導により,食育だけでなく,国語科の目標達成,さらには学習に対する関心・意欲を高め,学習が深化する可能性が示唆された。 2.社会科との関連付けた食育実践の検討 兵庫県で使用されている社会科教科書(3社)から食育に関連する単元,学習内容を整理した。高学年では食料生産,中学年では地域学習に関する単元を連携カリキュラムに取り入れることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国語科との連携については合科的な指導モデルで実践,評価し概ね順調に進んでいる。一方,社会科に関しては教科書の内容を整理することができたが,研究分担者が,年度途中から在外研究で不在になったため実践計画には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
国語科に関しては28年度の課題を踏まえ,他の単元等での実施可能性を実践を通して検討する。社会科に関しては,実践校の確保が困難なため,食育実践指定校の訪問調査や報告書を分析するなど研究方法を変更する必要もある。
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Causes of Carryover |
社会科担当の研究分担者が,年度途中から在外研究のため不在となり,社会科と食育に関する実態把握のための調査を実施できなかったため,残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
社会科と食育に関する実践校訪問調査,また,国語科と関連を図った食育実践をさらに進め,評価データの入力や分析に費用を充てる。
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