2015 Fiscal Year Research-status Report
「子ども主体のいじめ防止・解決プログラム」の研究開発
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15K04504
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松下 一世 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80457457)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | いじめ防止 / 問題解決力 / アクティブラーニング / 人権教育 / 子ども主体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、いじめの未然防止と早期解決に向けた具体的方策として「子ども主体のいじめ防止・解決プログラム」の開発研究である。このプログラムの特徴は、被害者・加害者だけでなく、周囲の傍観者の行動変容に着目する。 プラグラムの研究開発に関して、学校現場の先生に協力を仰ぎ、学校関係者(中学校の教員12名)によるプロジェクト委員会を組織した。教材の特色は以下の5点である。 ①予備調査として実施した佐賀県内全小中学生(小6と中3)の約17000人の意識調査の分析をもとに教材開発を行うこと。 ②読み物教材ではなく、デジタル教材として開発すること。 ③一斉授業形式だけでなく、グループワークやロールプレイ、シュミレーションなど、多様な活動形態を取り入れたアクティブラーニングを中心とした授業づくりにして、子どもたちに討議や思考の時間を多くとるような授業にすること。 ④道徳的価値観だけでなく、人権教育の三側面を活用し、子どもたちにつけたい力として、知識的側面、価値的態度的側面、技能的側面の三側面から考えること。そのためには、知識的側面に関して、いじめ問題に関する先行研究の成果を取り入れ、子どもたち自身が理論的な知識を習得すること、技能的側面に関しては、人権教育の理論を取り入れ、問題解決力を実践的に習得すること、を目標とする。 ⑤複数の教材を作成し、系統的に配列し、プログラム化すること。 以上のような方向性のもと、プロジェクト委員会を5回開催し、4つの教材を作成することができた。教材タイトルは、「いじめに巻き込まれたら、どうやって抜け出せばいい?」「これって、いじめ?」「いじめられる人の気持ちをとことん考えてみよう」「いじめが起こりにくいクラスってどんなクラスかな?」である。実験授業も行い、修正を重ね、教材だけでなく、ワークシートおよび指導案も作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト委員会が活発に行われたため、一年間で4つの教材を開発することができた。学校現場でのニーズと、理論的実証的研究が融合できたからだと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目についても、プロジェクト委員会を継続し、以下の3つの課題を小委員会に分かれて、遂行することを計画している。 ①5つ目の教材開発を行い、5つとも、デジタル教材としての完成度を上げる。 ②検証授業を行い、子どもたちの修得状況や意識の変容を調査し、分析する。 ③指導の手引を作成する。
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Causes of Carryover |
次年度に繰り越し、旅費及び人件費として執行する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会の旅費および、デジタル教材の加工技術に伴う人件費等に充てる予定である。
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