2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the Weaving and Dyeing Practice in Okinawa from the Viewpoints of the Practitioner's Consideration of Local Life, Culture and Economics: Toward the Sustainable Lifeway.
Project/Area Number |
15K04505
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
松本 由香 琉球大学, 教育学部, 教授 (70259274)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 敏行 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (20196299)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 沖縄 / 染め織り / 地域生活 / 地域文化 / 経済性 / 暮らしの持続性 / 学校教育 / 教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、これまでの研究の考察をまとめ、さらに追加調査として、西表島の共同作業所での染めの聞き取り、また沖縄の染め織りと文化的に関連の深い奄美大島の大島紬のつくり手に聞き取り調査をおこなった。 まず聞き取り調査の結果として、西表島の障害者授産施設、共同作業所の「スオウの木」では、西表各地から通所する人たちが、西表らしい地域に根ざしたものをつくり、販売している。そのものづくりの一つに、染めがあり、福木の樹皮を煮出して手ぬぐいを絞り染めしたりして、島に豊富な植物による染めが、西表らしさを表わすものととらえられていることがわかった。また奄美大島の大島紬は、沖縄での聞き取りでは、沖縄の染め織りに影響を与えており、奄美で明治の頃に開発された絣締め機という木製の機械が、宮古上布や久米島紬、南風原の琉球絣での細かい絣括りに用いられるようになったことがある。奄美で聞き取りをすると、久米島紬の泥染めが、奄美に伝わり、大島紬の泥染めが始まったことが認識されている。また、大島紬は大量生産の特徴があるが、現在、奄美では、沖縄の1点ずつのつくり方を参考にして、生産をシフトしていこうとしているということが印象的であった。奄美と沖縄で、双方向に影響し合いながら、現在から未来の染め織りのあり方を模索していることが明らかとなった。 これまでの研究のまとめとして、研究目的として掲げてきた3つのテーマにしたがって考察をまとめた。(1)地域生活でのつながり、(2)地域文化の探求、(3)経済性の探究に、それぞれの染め織りをあてはめ、最終的な考察を導いた。さらに染め織りのつくり手と家族・社会・自然とのかかわりから考察し、染め織りが、家族・地域とのつながりをもたらし、老後の楽しみや生き甲斐、自立を導き、ワークライフバランスを整え、持続可能な生活の形成に役立っていることを明らかにする教材原稿を作成した。
|
Research Products
(4 results)