2015 Fiscal Year Research-status Report
高大連携による「21世紀型能力」育成を目指す世界史単元開発とデータベース化
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15K04511
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
田尻 信一 目白大学, 人間学部, 教授 (10436800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 孝志 目白大学, 人間学部, 教授 (50341920)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 21世紀型能力 / 高大連携 / 世界史カリキュラム / 持続可能な発展のための教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の田尻信壹は、[21世紀型能力」育成の観点から、平成27年度研究課題の世界史教科書とカリキュラムの分析に関する研究を進めた。海外の歴史カリキュラム研究として、米国カリフォルニア州のメイフェア中学高校で収集した米国史授業「冷戦の起源」を「21世紀型能力」の観点から分析し、日本社会科教育学会第65回全国研究大会で発表した(平成27年11月8~9日、宮城教育大学)。またその研究成果をまとめ、『目白大学総合科学研究』12号(平成28年3月発行)に研究論文「歴史カリキュラム『歴史家のように読む』の教授方略」(単著、18頁)として掲載した。 また、田尻は、新潟県新潟市で、平成28年2月28日に大学教員と高校教員を対象とした研究会「世界史教育研究会」(万代市民会館、30名参加)を開き、高校歴史授業の実践報告と授業資料の収集を行った。同年2月29日に、新潟県立新発田高校で、研究協力者の竹田和夫教諭の歴史授業(2授業)を参観し、ビデオに記録した。竹田教諭の授業は、アクティブラーニングを取り入れた21世紀型能力の育成を試みた授業プランであり、実り豊かな授業実践であった。 研究分担者の多田孝志は、「21世紀型能力」の必要性の背景としての持続可能な発展のための教育の概念の検討を行い、その成果を日本学校教育学会(東アジアの学校教育に関する国際シンポジウム)や刊行図書(多田孝志ほか3名編著『持続可能な社会のための教育』教育出版社)を通じて発表した。 田尻と多田は、21世紀型能力についての文献研究を進め、目白大学児童教育学科編『未来を拓く児童教育学』を刊行し(平成27年12月発行、三恵社)、そこに多田「児童教育学の視座構造」(11頁)、田尻「グローバル時代の児童教育学の構図」(12頁)を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では、平成27、28年度に、「21世紀型能力」に関する理論的研究、教科書分析、カリキュラム研究を行うことになっている。平成27年度において、スタンフォード大学歴史教育グループが開発した歴史カリキュラム「歴史家のように読む(Reading Like a Historian)」を「21世紀型能力」の観点から分析し、その成果を日本社会科教育学会第65回研究大会、目白大学紀要『総合科学研究』12号に発表した。新潟県新潟市で高校歴史教員を対象に、高校世界史教育研究会を開催し、世界史授業を収集した。世界史単元開発のためのワークショップができたことは収穫であった。また、新潟県立新発田高校で、研究協力者の武田和夫教諭の歴史授業を参観してビデオに記録した。新潟県の歴史授業の状況をまとめることができた。上記の状況より、おおむね達成できたといえる。 計画では、授業のデータベース化とWebでの公開を計画した。平成27年6月から、勤務大学(目白大学)のサーバー内にホームページを開設することを申請し、研究支援課と協議を重ねてきたが、同課より平成28年2月に使用許可は叶わないとの回答があった。そのため、今年度に外部サーバーを借り受け、開設を進めることにする。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の計画においては、平成27年度の研究成果を土台にして、以下の研究を推進する。 (1)「21世紀型能力」に関する理論研究をさらに進めるとともに、研究協力者と協力して、先進的な地歴科世界史授業の参観とビデオでの記録化を行う。その際、時代と地域を考慮した世界史カリキュラムになるように配慮していく。また、授業のビデオでの記録化を行い、授業資料のデータベース化を進める。 (2)大学外のサーバーを借り受け、本研究のためのホームページを開設する。収集した授業資料の公開を進め、研究成果の発信に努める。 (3) 「21世紀型能力」育成の観点から、米国の歴史授業の動向を中心に海外調査を行い、世界史を中心とした歴史授業の見学と資料収集を行う。American Historical Association(AHA)等の海外の歴史教育・歴史学の学会に出席し、世界史を中心とした歴史カリキュラムの研究と収集を行う。
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Causes of Carryover |
(1)2015年度(昨年度)は、WEB上にホームページを開設するための製作費等を計上していたが、勤務大学(目白大学)内のサーバーが使用できず、開設できなかった。そのための予算が執行できなかった。2016年度(本年度)は外部にサーバーを借りて、開設する。そのためのサーバー借用費、ホームページ製作費を計上する。また、ホームページ運用のためのパソコンを購入する。 (2)2015年度に実施予定であった米国調査、学会出席が校務と重なり実施できなかった。そのため、2016年度に実施するように計画(2回の出張)を再考し、海外出張費の予算を増額する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
(1)外部にサーバーを借用しホームページを開設するために、以下の計画を立てる。ホームページ用サーバー使用をプロバイダーと契約し、ホームページ製作を業者に発注し、8月までに研究成果を公開するホームページを開設する。9月以降、収集した授業記録を順次、掲載していく。 (2)2017年3月にカリフォルニア州での調査を計画し、2016年7月までに歴史授業の見学先、参加学会を確定させる。長期休業中(8・9月、2・3月)のそれぞれの時期に海外調査を実施する。
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[Presentation] 米国教育制度改革の実情2015
Author(s)
田尻信壹、田部俊充
Organizer
日本社会科教育学会第65回全国研究大会
Place of Presentation
宮城教育大学(宮城県仙台市)
Year and Date
2015-11-07 – 2015-11-08
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