2017 Fiscal Year Research-status Report
教授学習過程の可視化による理科授業構成支援システムの開発
Project/Area Number |
15K04513
|
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
小野瀬 倫也 国士舘大学, 文学部, 教授 (00609761)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 理科授業 / 教授学習過程 / 可視化 / 授業構成支援 / 教授学習プロセスマップ / 科学概念 / 教授スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,理科授業における教授学習過程を可視化することで,授業者の授業構想,実施から省察に至るまでの過程を支援するシステムを構築することにある。平成29年度研究計画に掲げた視点から研究実績の概要をまとめる。1:「理科授業構成支援システム」の安定的運用 2.研究の視点(理科授業支援システム,教授学習過程の可視化,授業実践への適用など)の理論化 3.その他 1について:3回をパッケージとした「理科授業構成支援システム」を小学校2校(2名の教師)を対象に実施した。2名の教師は本研究において考案された教授学習プロセスマップの考え方に理解を示し,第2回目の実践より教授学習プロセスマップの考え方による理科授業の構想を学習指導案に実現していた。 2について:本研究でキーワードとしてきた,①教授学習プロセスマップによる教授学習過程の可視化 ②子どもの学習モデル ③教師の教授活動調整モデル を基礎として「理科授業構成支援システム」の構築,システムの実施状況を小野瀬・佐藤(2018)としてまとめた。本論文によって,前述した本研究の目的における理論的な枠組みはほぼ構築されたと考えられる。 3について:第1は,教授スキルを高めるために欠かせない視点として,子どもの学習状況評価,教材開発についての研究として内藤・小野瀬(2018)をまとめた。第2に本研究を通して精緻化されてきた教授学習モデルの適用事例として藤森・小野瀬(2018)をまとめた。第3として本研究の成果を活用した教員研修の実施である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究がおおむね順調に進展していると判断する理由を平成29年度研究計画をもとに挙げた。 1.実践の分析:授業実践,教員研修会への適用など一通りのデータが集められ理論化,論文化する段階に入っている。ただし,これまでの研究の流れの中で教員経験年数のによる比較分析の視点ではなく,若手教員からベテランに至る理科授業デザイン支援に研究の中心は動いている。 2.教授学習プロセスマップ:理科授業構成支援システム内での運用,授業実践への適用,研修会等での活用などを通して精緻化されている。 3.システム構築のための実践:安定的な運用に主眼が移っている段階である。 4.研究成果の発表:日本理科教育学会全国大会・同支部大会,日本教科教育学会全国大会,教育委員会主催の研修会などで発表している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,研究のまとめ,研究成果の公表の段階である。内容は,以下のように計画している。 (1)授業実践:理科授業構成支援システムおよびそれを支える下位システム(教授学習プロセスマップ,教師の教授活動調整モデルなど)を検証するための補充的授業実践を補助的に行う。 (2)研究成果の発表:一連の研究において得られた成果を学会等で発表し,広く研究に関わる意見をいただくとともに,システム改善の視点を得る。 (3)一連の研究成果のうち平成29年度までにまとめきれていない部分を論文としてまとめる。 (4)研究成果を適用した授業実践を増やすことを継続する。 (5)教授スキル向上につながる子どもの概念構築に関わる事例収集を継続する。
|
Causes of Carryover |
学会誌への論文投稿が予定よりも遅れた。そのために論文掲載に伴う費用が当初の予定のようにはかからなかった。この分の費用は平成30年度に使用する予定である。
|
Research Products
(13 results)