2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04525
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 豊 関西学院大学, 教育学部, 教授 (10509938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五百住 満 関西学院大学, 教育学部, 教授 (00546830)
佐藤 真 関西学院大学, 教育学部, 教授 (20324949)
山本 健治 関西学院大学, 教育学部, 教授 (70546829)
佐々木 正昭 甲子園大学, 栄養学部, 特任教授 (80121523)
岡邑 衛 甲子園大学, 栄養学部, 助教 (80735233)
菅 修一 花園大学, 文学部, 准教授 (90631234)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文化的行事 / 学芸会 / 学校行事 / 特別活動 / 演劇教育 / 劇教材 / 総合的な学習の時間 / 文化祭 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国の小学校、中学校、高等学校の教員及び教育行政機関、特別活動の研究者等を対象とし、文化的行事並びに学芸会の実態調査を実施した。調査期間は2016年7月~10月、調査方法は郵送または質問紙調査を持参のうえ依頼し、合計発送数は4500通である。料金後納郵便により回答用紙を回収した結果、返信数は905通、回収率は20.1%であった。得られた調査結果は、PC入力した後に定量的及び定性的なデータとして分析を行った。 文化的行事に演劇を取り入れている兵庫県宝塚市の公立中学校、芦屋市の公立中学校、神戸市の公立小学校、県立高校、大阪市内の公立小学校、国立中学校、京都市内の公立小学校を訪問し、各校の教育実践を観察・記録し、研究に必要な事項については訪問校の担当者を対象とした聞き取り調査を行うなどフィールドワークによる情報収集を行った。 学習指導要領の変遷を視座に置き、昭和30年代に実施された先行調査研究、教科用図書国語科の劇教材及び指導書等、文献研究を進めてきた。特に、小学校、中学校、特別支援学校における劇教材の取り扱いや演劇教育の実際について、戦後教育の流れを踏まえ教材(題材)の収集を進めることで文化的行事(学芸会)と教育課程との関連について検証した。 小学校段階の児童から中学校・高等学校の生徒における12年間の発達を踏まえた文化的行事のあり方についてモデルを作成し、演劇教育の視点から校種、学年毎のねらいや留意点など指導についての原案を作成することができた。 本年度の研究協議会は9回開催し、研究分担者、研究協力者の緊密な連携により協働的に理論と実践の往還を図る研究を計画的に推進してきた。これまでの研究成果に加えて質問紙調査結果のさらなる考察を行い、それを研究報告書としてまとめていくが、研究2年目までにその基盤を構築することができた。報告書については目次構成及び執筆分担までを協議してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に即して順調に研究は進められている。 当初に予定していたフィールドワークについては、おおむね訪問することができている。訪問がかなわなかったのは神戸市の小学校1校のみである。その理由は訪問予定学校の行事開催日が同日開催であったためである。 文化的行事(学芸会)の質問紙調査は、全国の都道府県を対象として実施された。その調査協力エリアでは、北海道、東北地方、関東地方、北陸・中部・東海地方、近畿地方、中国・四国地方、九州地方を網羅することができた。 文献調査は、研究協議会において着実に史資料収集が積み重ねられている。そこでは、先行研究としての全国調査の記録、小学校、中学校を中心とした各社の教科用図書国語科における劇題材や学芸会に関する教材等、本研究に資する文献研究が推進されてきた。 以上、本研究の当初の計画に沿いながら、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの2年間の研究成果をあらためて検証し、教育現場に寄与できる研究報告書の完成を目指す。報告書の構成は次の目次の通りであり、分担執筆原稿を校正しながら年内の脱稿を予定している。 はじめに(本研究の目的)、1.学校における文化的行事について(理論編)、2.学芸会と教科用図書の題材の変遷(特別支援学校を含む)、3.文化的行事の先行研究と予備調査(1)戦後から1960年代頃までの学芸会の状況①大阪府池田市教育研究所「学芸会の実態―全国調査―」(昭和37年3月)、②大阪市小学校教育研究会学校行事部資料、『教育指導計画学校行事編』(作成年度不明)、『学校行事等標準化についての研究 第一年度 昭和38年度』、『学校行事等標準化についての研究 第二年度 学校行事等好例集』、『卒業式・学芸会・運動会・遠足についての研究 第七年度 昭和44年度』、(2)文化的行事の予備調査結果とその検討①大阪府内の高校を調査対象とした予備調査、②大学生を調査対象とした予備調査、(3)特別活動としての文化的行事の現状と課題、4.「文化的行事に関する全国調査」の結果と考察、5.文化的行事の事例研究、6.発達の段階に応じた演劇指導(1)総論、(2)各論①小学校、②中学校、③高等学校、④伝統芸能としての演劇、7.これからの文化的行事(1)教師教育における文化的行事の意義、(2)文化的行事とアクティブ・ラーニング、(3)特別支援教育と文化的行事、(4)文化的行事の評価、(5)文化的行事と特別な支援を要する児童生徒への合理的配慮、(6)文化的行事における個と集団、おわりに(本研究の成果と課題)、資料
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Causes of Carryover |
質問紙調査結果の集約及び分析に要する時間が研究計画で想定していた以上に必要であるため、分析に係る費用を次年度に繰り越した。また、研究代表者の所属変更に伴い、本研究を推進するための移動に必要な旅費が新たに発生すること及び研究代表者の研究環境が変わったことにより、データ分析に不可欠なコンピュータソフト(SPSSベース、アドバンス、AMOS、テキストマイニング)の新規購入が必要となり、その購入には本年度の予算執行に間に合わせることができなかったためである。 さらに、研究分担者個々の研究計画の一部が次年度に持ち越されるために、本年度における予算の執行の一部が次年度となるためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、統計ソフト(SPSSベース、アドバンス、AMOS、テキストマイニング)の購入、及び本研究の次年度の研究会は、継続して関西学院大学大阪梅田キャンパスで開催されるため、研究代表者が毎回参加するための旅費に充てる。また、研究分担者の研究を推進するための経費及び研究協力者への報酬費、旅費に支出していく計画である。
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Research Products
(5 results)