2015 Fiscal Year Research-status Report
いじめ問題の解決に向けたメディア論的な教材・指導プログラムの開発
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15K04527
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| Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
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Principal Investigator |
時津 啓 広島文化学園大学, 学芸学部, 准教授 (20518005)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | いじめ / メディア論 / 道徳教育 / 特別活動 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「いじめ問題＝学校教育の問題」という枠組みを再考し、メディア論の観点から「いじめ問題」を捉え、オータナティブな現実構成によるいじめ自殺の回避を目指す。具体的には、（１）教材・資料の開発、（２）支配的ないじめ・いじめ自殺報道に基づく現実構成と比較するプログラムの開発、（３）道徳教育、特別活動における実践プログラムの組織である。平成27年度は次の二つのことを実行した。
第一に、教育プログラムを策定するために不可欠な理論的基礎研究である。4層構造、構築主義、オーディエンス研究の成果を再検討し、マスメディアの権力とオーディエンスの現実構成という観点から「いじめ」「いじめ自殺」を考察するべきことを見出した。さらに、これらがいかに折衝し合い、問題が学校教育の問題として構成されているのか。そのメカニズムの一側面を明らかにした。
第二に、資料の選定についてである。いかなる資料、教材を使用するのか。そして、いかに道徳教育、特別活動の中で使用していくのか。それらを具体的に検討することができた。そして現時点で、いじめを取り扱ったテレビドラマ『リーガルハイ』を資料とすることを確定した。さらに、それを使用し、道徳教育の授業実践、同時に特別活動における学級活動を計画・実施することも確定した。そして道徳教育と特別活動における学級活動を相互に連携させた指導プログラムを開発していくことを確定した。
本研究は第一の理論研究で明示されたメカニズムを手がかりに、テレビドラマ『リーガルハイ』を資料として、指導プログラムを開発していく。それによって、現実構成のメカニズムを意識した指導を行うことで、子どもたちはより合理的に支配的ないじめ・いじめ自殺に関する報道を相対化することができる。さらに、道徳教育と特別活動をリンクさせることで、重層的に現実を構成する力を育成するプログラム開発が可能になると考える。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書では、教材・資料の選定とプログラム素案を作成することを計画していた。それらはいずれも一定の成果を上げることができた。理由としては、第一に、交付申請までに、マスメディアの記者に配布される『作成マニュアル』、さらにいじめに関する新聞記事の収集を進めていたからである。これにより、上述した理論研究について文献調査と考察をよりスムーズに進めることができた。第二に、理論研究によって「オーディエンスの現実構成」の重要性が示されたため、資料の選定においてより合理的な判断が可能となったからである。第三に、体調不良によって、一部現職教員の協力が困難になったが、その他の申請書に記載した現職教員の協力を増やしたこと、また新たに協力する教員を追加することができたからである。
以上より、おおむね順調に進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後も申請書の計画通りに研究を進めていく予定である。
とりわけ選定した資料の有効性に力点を置き、学習者の実態を踏まえること、学習指導要領とのすり合わせも行いながら、実施していく。さらに、学会発表を通して協力者以外の専門家の意見をもらい、助言・指導を受ける。一部現職教員の協力者を変更することになるが、それ以外は申請書通り実施する予定である。
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| Causes of Carryover |
体調不良等によって２名の現職教員との検討会を開くことができなかったため。さらに、旅費、謝金・人件費、旅費について一部見直しを図ったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定していた２名の現職教員との検討会は難しいため、その他の申請書に記載した現職教員の協力を増やし、また新たに協力する教員を追加することで研究の進行を継続していく。
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