2015 Fiscal Year Research-status Report
保育者養成校における演劇を専門としない教員のための劇表現指導教材の開発
Project/Area Number |
15K04530
|
Research Institution | ARIAKE College of Education and the Arts |
Principal Investigator |
山本 直樹 有明教育芸術短期大学, その他部局等, 准教授 (70586502)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 劇表現 / 保育者養成 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
保育者養成校における劇的な授業の開講状況を調査したところ、表現分野を複合的に扱う「保育内容(表現)」の中で、音楽や造形等を専門とする教員が劇的内容を扱う養成校が多数あった。また、学習成果の総まとめとして形式的に演劇を使うことも保育者養成校では一般的だが、もっと表現授業において日常保育の中の劇表現(劇遊び、ごっこ遊び、ふり遊び、見立て遊び、ドラマ等)を活かせれば、子どもの遊びを学生が再経験するような機会をつくり出せよう。ただ、その専門家でなければ難しいはずである。 そこで本研究は複合的な「保育内容(表現)」の授業の中で、演劇を専門としない教員が劇的要素を意義深く活用することができるための内容や工夫点、展開方法等を明らかにし、その成果をまとめた劇表現指導教材として開発することを目的とした。 平成27年度は主に以下の内容で行った。 ①文献の収集:教材作成の糸口を探るため「保育内容(表現)」に関する文献や論文の中から、劇的な要素に関して記述があるものの収集を行う。 ②資料の収集:保育者養成校における劇的な「保育内容(表現)」のあり方を探るため、日本保育学会での大会発表要旨集から「保育内容(表現)」や劇的な要素に関する研究動向の調査を行う。その成果を有明教育芸術短期大学紀要7としてまとめた。 ③保育者養成校における劇的な授業の開講調査:科研費若手研究で調査した保育者養成校での劇的な「保育内容(表現)」の開講調査の結果をふまえ、音楽や造形等の表現分野を複合的に扱う「保育内容(表現)」において、劇的な要素も含む授業に焦点を当てた継続調査を行う。また、保育者養成校における劇的科目についても「保育内容(表現)」に限らず、その開講調査と比較するために調査する。その成果を清泉女学院短期大学研究紀要34号としてまとめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度の研究計画として立てた基礎調査を順調に行い、研究論文としてまとめることができた。また、連携研究者として、新たに花輪充氏(東京家政大学)に依頼をし、快諾いただくことができた。花輪ゼミと合同で教材研究のワークショップを企画したり、氏から研究に対する助言を適宜いただく関係を構築することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
音楽表現を専門とする麓洋介氏(愛知教育大学)に新たに連携研究者として依頼し、劇表現に関する実験授業を愛知教育大学と、有明教育芸術短期大学にて行う予定である。その成果を協議しながら、指導用教材の骨格を見いだしていく。また、今後も継続的に花輪ゼミとの合同で勉強と研究する機会を創出する予定である。
|
Causes of Carryover |
消耗品等を購入する計画もあったが、残額が1万円程度と次年度に持ち越してもそれほど計画が崩れる金額ではないと判断したため、繰り越すこととなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験授業の実施(愛知教育大学、有明教育芸術短期大学)のための旅費、劇表現の教材研究のための実験ワークショップの実施のための謝金等を中心に、使用する計画である。
|