2017 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of combined effects of group-contingency and individualized support for reducing behavior problems in students with developmental disabilities in regular classroom.
Project/Area Number |
15K04537
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野呂 文行 筑波大学, 人間系, 教授 (30272149)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 集団随伴性 / セルフモニタリング / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、集団随伴性の効果を補完する手続きとして、学級全体に対するセルフ・モニタリング手続きの効果を検討した。対象は小規模の公立小学校1・2・3年生の1学級ずつ合計3学級であった。研究に関する説明を学校長に対して行い、研究参加に関する承諾が得られた後に、各学級における現状に関する聞き取り調査を実施した。その結果、いずれの学級においても、授業開始時に着席と授業準備に関して始業時間通りに実施することができないことが共通する問題として挙げられた。そこで授業準備行動(着席と筆記用具などの準備)を標的行動として、セルフモニタリング手続き及び集団随伴性手続きの効果について検証をした。研究期間は平成29年5月から12月の期間であった。月1回、担任教師・特別支援教育コーディネーター・大学側スタッフとの間で協議を行いながら、手続きの効果検証を実施した。測定した従属変数は、「授業準備行動が正しくできた児童の、全児童数に占める割合」「セルフモニタリングの正確性」「社会的妥当性」の3つであった。研究デザインは、ベースライン期・セルフモニタリング期・集団随伴性導入期で構成される介入プログラムに関して、学級間多層ベースラインデザインで実施された。その結果、目標時間までに着席した児童数の割合については、セルフモニタリング期で増加した。また集団随伴性手続きが導入されることで、その割合の変動性が減少し、維持効果も確認できた。準備行動については、セルフモニタリング手続きが導入されることで、一時的に準備行動が完了した児童数の割合が増加するものの、時間の経過とともにその割合は減少していった。一方で集団随伴性を導入することで、一部の学級においては、準備行動の完了児童数が増加することが明らかになった。この結果については、本研究で用いたセルフモニタリング手続き・集団随伴性手続きとの関係性に基づいて考察をする予定である。
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