2016 Fiscal Year Research-status Report
次世代インタフェースを踏まえた視覚障害者の直感的直接情報アクセスに関する基礎研究
Project/Area Number |
15K04540
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大西 淳児 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30396238)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 視覚障害 / 情報保証 / 教育支援 / 福祉情報工学 / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、情報機器のインタフェースが従来のボタン操作を主としたディジタル的な操作環境から普段の身振り手振りなどの人間の動作を活用したアナログ的な操作環境がより多く普及している.その結果,音声以外の情報取得に際し,点字などのディジタル的要素を主として活用する視覚障害者にとってその情報アクセス・取得がより困難になると予測されいる.そこで,本研究では,インクルージョン教育環境下における視覚障害学生に対する教育において,学習に必要な情報をいち早く取得するのを支援する教育支援システムの開発を行っている. 平成28年度の研究では,大きく以下の2つのシステムの開発を中心に進めた. 1.遠隔地にいる学生への図面情報の直接配信システムの開発 2.授業コンテンツの管理データベースの構築と学生のノートテイク情報のデータベース管理機能の試験的開発 1項のシステムでは,特に,教育に利用される文字を主体としたコンテンツを適切に管理するためのデータベース開発,および,学生が講義で行うノートテイクの記録機能を一体化させたシステムを構築し,Webインタフェースを活用した情報のアクセス機構を構築した.これにより,教育コンテンツと学習に必要なノート記録が関連付けされたデータベースが構築され,特に,視覚障害学生が予習・復習を行う際に,有効に授業情報のアクセスができる仕組みを提供できることとなった. 2項のシステムは,NHK放送技術研究所との研究協力関係で開発している講義で利用する図面データ等の配信支援システムである.平成28年度の研究では,教員が複数の視覚障害学生に対して,同時に適切に図面情報を提示することを目的として,遠隔制御による触察支援のための力覚誘導機能などを構築・実装を行った.この結果,図面の説明を伴う講義において,指示語による情報共有を容易にするなど,学生と教員の双方に有効に機能するなどの効果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究では,特に遠隔制御機能を構築して,遠隔地にいる視覚障害学生へ授業コンテンツのリアルタイム配信機能の開発・実装を主として行った..その結果,当初の計画通りの開発が進み,簡単な評価実験も実施することができた. 一方で,触覚フィードバックの新技術を導入した方法については,本研究の目的に使用可能な段階に相当する汎用品がなく,これらの技術を取り入れたシステムの開発・評価については,今後の技術動向を踏まえながら研究を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果によって,力覚によるフィードバックなどを巧みに利用することによって,特に第三者による補助説明を要せずに,学習者に対して触図を理解させるなどの有効性が確認できた. 今後は,遠隔地の学生向けに,盲学校等の協力を得ながら開発システムの遠隔教育支援の有効性を評価することによって,問題点・課題点等の洗い出しを行う.評価によって明確になった課題等を解決する方策を検討し,スパイラル開発モデルによる開発を進め,視覚障害学生が学習に必要な情報をタイムリーにアクセスできる教育システムを構築する予定である.
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Causes of Carryover |
国際会議等の研究成果にかかる費用等が当初の見積りを上回ることとなったため,教育システムの開発にかかる物品費の支出計画について見直し変更を行った結果,若干の残額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度に予定している遠隔教育支援の実証評価に必要なネットワーク関連機器の整備等の物品購入に支出する予定である.
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[Journal Article] Auto-Aasisting figure presentation system for inclusion education2016
Author(s)
Onishi J, Sakai T, Sakajiri M, Ogata A, Miura T, Handa T, Hiruma N, Shimizu T, Ono T.
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Journal Title
2016 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics
Volume: -
Pages: 176-181
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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