2015 Fiscal Year Research-status Report
通常学級におけるユニバーサルデザイン型支援のデータベースの構築
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15K04545
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
伊藤 良子 東京学芸大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00143628)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ユニバーサルデザイン / 算数 / 授業実践 / 社会科 / 学習意欲 / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)通常学級におけるユニバーサルデザイン型支援の資料収集については、書籍を中心に収集し、データベースとなる基本的データを蓄積した。また、ユニバーサルデザインとは何か、その概念や考え方について先行研究を分析、整理し、教職大学院年報に投稿した。 (2)ユニバーサルデザイン型の授業実践及び学級経営に関する効果検証については、授業実践を中心に以下の2つの研究論文を発表した。 ①「ユニバーサルデザインの視点をふまえた算数の授業-小学校2年生の「三角形・四角形」の指導から-」(田島準章との共著):クラス全員の児童の実態について、全般的な認知力、算数への意識、図形の理解度に関し事前調査を行った。その結果より、3つのタイプの児童を抽出し、ユニバーサルデザイン型の授業実践を行い、効果を検証した。実践の結果、集中の持続が困難だった児童は、学習への興味が持続し、授業参加率が高くなり、理解度も大幅に向上した。個別の配慮が必要な児童も、授業参加率が上昇し、理解度の向上も認められた。もともと理解度の高い児童は、課題を早く終えた時間にやるべきことがなくなると授業参加率が低下したことより、空白の時間を作らない工夫をすることの必要性が明らかになった。全体としては、ユニバーサルデザイン型の授業は、クラス全員の授業に対する興味や意欲を増大させ、理解度の向上に効果のあることが実証された。 ②「中学校社会科における生徒の学習意欲向上の取り組み-授業のユニバーサルデザイン化を通して-」(杉本 龍との共著):中学校2年生の4クラスの生徒について実態調査を行い、支援が必要な生徒を複数抽出した。事前に歴史の学習に関する意識調査を行った。2年次と3年次の1単元において、ユニバーサルデザイン型授業の指導を実施した。その結果、3年次において、抽出生徒全員に歴史の学習に対する意欲の向上が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ユニバーサルデザイン型支援の資料収集は順調に進んでいる。しかしデータベースの作成という点では、方針が明確化されておらず、今後専門家からの助言を必要とする。 ユニバーサルデザイン型の授業実践については、多くの実践が行われ、効果検証も進んでいる。学術雑誌にも投稿し、研究成果は順調に蓄積されている。学級経営に関する実践的研究を今後行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
ユニバーサルデザイン型支援の資料収集をさらに継続するとともに、専門家の助言を得て、データベース化の作業を実施する。 ユニバーサルデザイン型の授業実践を引き続き実施するとともに、学級経営の実践にも取り組む。効果検証を行い、エビデンスを明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
残額が小額のため、必要な物品等の購入費としては不足だったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
心理検査等物品購入費の一部として使用予定。
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Research Products
(4 results)